巻頭言

【巻頭言】  「カンボジア視察報告  闇の子供たち 」

「カンボジア視察報告 -闇の子供たち-」

           ネットワーク『地球村』代表 高木善之

映画「闇の子供たち」を観て、「この子たちの支援活動をしよう」と決意しました。
このたび、現地カンボジアで活動する日本のNGO(C-Rights)の代表とスカイプ(ネット電話)で話をしているうちに、いてもたってもいられず、急きょ、飛び立ちました。

1.NGOの活動

★Friends International
(ストリートチルドレンを保護し自立を支援する団体)

・観光で訪れたフランス人の一青年が、ストリートチルドレン(SC)の現状を知り、活動を始め、発展しました。

・SCを見かけたら連絡を取り合い、保護、教育、職業訓練、就職の世話などをします。

・SCを買春する客を見かけたら、タクシーは乗車拒否、ホテルは利用を拒否、警察に通報する協力ネットワークを作り、市民の協力や支援も広がっています。

今回、Friendsの本部、教育施設、職業訓練センター、直営レストランを訪問しました。


★AFESIP International
(性的虐待を受けている女性を救出し自立を支援する団体)

・幼い時に買春宿に売られた女性(ソマリー・マムさん)が、その境遇から脱出、救済活動を始め発展しました。買春宿から女性を救出、保護、自立支援などをしています。

今回、医療センター、スラムのセックスワーカーを訪問、取材しました。


★HCC
(児童の売買、家庭内暴力からの救出や保護、被害の防止活動をする団体)

・地域の人たちの啓蒙、啓発の活動(CBPN)、学校の生徒たちの啓蒙、啓発の活動(SBPN)、被害に遭っている子供の保護、教育、自立支援など。

今回、CBPNのリーダとSBPNの生徒リーダと面談。シェルターを訪問、面談しました。


2.セックス産業の現場

★マッサージ店(入口調査)
ロビーに入ると、多数の女性が指名を待っていました。
年齢は15~25歳くらい。10~30ドル。カンボジア人、ベトナム人女性が中心。
交渉すると、さまざまな女性(男性も)が手配できるといいます。
長居をすると、調査と感づかれるので、身の危険を感じ脱出しました。

★カラオケ店(ルームに入りました)
ロビーの中に入ると、多数の女性が指名を待っていました。
カラオケルームに入ると、サービスをする女性2名が入ってきました。
通常は、少し歌ったり飲んだりしたあと、ペアで別室(個室)に移るのだそうです。
状況がだいたいわかったので脱出しました。

★セックスワーカー(町で売春している女性の訪問、取材)
スラムのセックスワーカーを支援するNGO(AFESIP)の協力で、スラムを訪問しました。セックスワーカー(20名)が集まり、取材に応じてくれました。
20~40歳。マッサージ店などの女性と違って、生活の苦労が大きい様子。
貧しい村から出稼ぎに来た人が多い。

・「マッサージ店の女性は、若くてきれいでほとんどベトナム人」
・「私たちは自分で、公園やストリートで客を取ります」
・「売春は1人2ドル、外国人はもう少し高いけれど嫌い。危険で、ひどいことをする」
・「雨の日は客が取れない。この3日、稼げなくて困っている」
・「一日平均2、3ドルの収入、家賃が20ドルだから、いつもギリギリ・・・。」
・妊娠中の女性が2人。「誰の子かわからないけれど産む」
・「中絶は2、3カ月まで10~20ドル。それ以降は60ドル以上。産むしかない」
・「収入がない時、仲間で助け合う。助けがない時、寝て、食べずに我慢する」
・カンボジアには、生活保護や最低保証はない。
・村では、貧しくて生きられない。「出稼ぎするしかないが、字が読めない、手に職がない、自分には何もないから売春しかない」

明日もわからない上、売春は40歳が限度、この女性たちはあとはどうなるのだろう・・・。

取材のあと、そのNGOの活動の一環として、生活用品(石鹸、コンドームなど)を配布。
スラムは本当に貧しい暮らしですが、NGOへの信頼からか、女性たちは、みんな明るく話してくれました。


★児童買春で有名な地域「スワイパー」
閉めた店がたくさんあり、町の人に聞くと、「取締りが厳しく、彼らは出て行った」とのこと。よりわかりにくい形で、都会の裏通りに紛れ込んだのだろう。

根本問題は、カンボジアの貧困だけではなく、先進国側の姿勢です。
日本は、児童ポルノ、児童買春、セックスツアーが先進国の中でもっともひどいし、法規制がもっとも甘い。カンボジアの救済支援も大切ですが、日本側のそうした問題の解決が重要です。先進国の豊かさとモラルの低下が、最大の問題なのです。


3.支援活動をスタートします。

【1】現地のNGOを通しての現地支援

・HCCの活動(SBPN、CBPN、クレジット、牛の提供、農業支援など)には希望があります。『地球村』として、HCCの活動支援、資金支援をしていきます。

・Friends、AFESIPなど、効果的な活動をしている現地のNGOの支援を検討。

【2】カンボジア以外にもタイ、ベトナム、さらにインドなどの支援活動も検討。


ぜひ、ご協力をお願いします。

<募金先 (通信欄に「カンボジア 人道支援」とお書きください)>
郵便振替  口座番号:00920-7-105330
加入者名:『地球村』緊急募金

※支援金額、用途などは随時ホームページ上でお知らせします。