2009年11月号 有限会社てっぺん 代表取締役 大嶋啓介さん
今、飲食業界で注目を集める居酒屋「てっぺん」創業者の大嶋さん。てっぺん独自の「本気の朝礼」には全国から見学者が殺到しています。また、NPO法人「居酒屋甲子園」を立ち上げ、居酒屋業界全体の活性化にも奮闘中。夢を与える生き方で日本を元気にしようと張り切る若手リーダーとの対談です。
■ 龍馬のように熱く本気で! ■
高木 こんにちは。今日は、「てっぺん」の大嶋さんに来ていただきました。このスペシャル対談には、てんつくマンと中村文昭さんに出てもらっています。2人と共に活躍されている大嶋さんにも、ぜひ会いたいと思っていたんですよ。
大嶋 僕もてんつくマンさんから、「高木さんのお話は、絶対に聴きなさい」と言われていて、いつかお会いしたいと思っていました。そもそも僕は、地球環境のことを考えたこともなかったし、危機感もなかったんです。それが「豪快な号外」のときにてんつくマンさんと知り合って、高木さんのことを伺いました。地球がどういう状況なのか、これからどうなっていくのか、そのために具体的に何をしたらいいのか、僕自身、もっと知りたいと思っています。
高木 私も知ってほしい。君に伝えたい。その前に君自身のことをもっと教えてもらえるかな。
大嶋 僕は「てっぺん」という居酒屋をやっていて、それはもう元気な居酒屋です。半端じゃないです。自分でいうのも何ですが、すごく元気。
高木 私も、すごく元気だとうわさを聞いています。
大嶋 うちは独立道場という3年制の学校形式で、3年間で人間力を高めて独立していきます。今まで卒業していったメンバーが13人。彼らが自分で会社をおこして元気な居酒屋を展開しているんです。直営店が4店舗、韓国に1店舗、卒業生13人が19店舗で、合計24店舗になりました。
高木 すごいね。全部が居酒屋さん ?
大嶋 そうです。ソウルに店を出したのは、世界に出て行きたいという気持ちからです。僕は坂本龍馬が大好きで、龍馬のような人間になりたいと思っているんです。今から6、7年前「飯場 銀座店」で店長をしていて、「元気な店長がいる」と言われてちやほやされまして、かなり調子に乗っていたんです。28、9歳の頃でした。そんなとき、ある方から坂本龍馬の写真を見せられたんです。幕末の志士たちを撮影した写真なんですけれど、みんな20代や30代なんですね。その若さで日本を動かしたって、すごいじゃないですか。その写真を見てスイッチが入ったんです。この人たちのように、何か世の中に貢献できることがしたい、ワクワクすることがしたい、一回しかない人生をイキイキ生きたい、そう思いました。それからはちょっとおこがましいんですけれど、龍馬だったらどんな居酒屋を作るだろうってことが自分のテーマになって、龍馬なら世界にも出て行くだろうし、みんなが元気になるように日本中の居酒屋の人たちをつなげていくかもしれない。そう考えて「居酒屋甲子園」も始めました。そして、口だけじゃなく僕が日本一元気な居酒屋を作って、模範店になって、そのノウハウを公開していこうと決めて、セミナー活動をさせてもらったり、DVDや本を出版させてもらったり、そういうことをやっています。
■ 誰でも輝くチャンスがある! ■
高木 なるほど。あなたの元気の原点がわかりました。では、私の原点もお話ししようかな。
大嶋 はい、ぜひお願いします。
高木 私たちが知っている文明は、エジプト、インダス、メソポタミア、ローマ、インカ、イースター島、いろいろあるけれど、その人たちは今どうなっている ?
大嶋 もういないですね。
高木 そう、滅亡したね。過去の偉大な文明は全部滅びたけど、野蛮人と言われていた人たちはどう ? マサイ、ホッテントット、ブッシュマン、そういう人たちって滅亡していないよね。その理由はなんだろう。私たちは彼らを野蛮人と言うけれど、オゾン層破壊とか、地球温暖化とか、森林破壊、海洋汚染、砂漠化、大気汚染など、実際に野蛮なことをしているのは、文明人と野蛮人、どっちなんだろう。
大嶋 文明人ですね・・・。
高木 私は、大学を出て、松下電器の中央研究所に務めて、最先端のハイテクを研究していたんだけど、33歳のときに交通事故に遭って、瀕死の重傷を負い、入院中の病院で1年間徹底的に考えた。「人は何のために生まれてきたのか」と。そして、「生きることの喜びを味わうために生まれてきたんだ ! それなのに、比較や競争、出世や金の奪い合いをしているのはおかしいじゃないか ! 」ということがわかった。この気付きは大きかった。価値観が180度ひっくり返った。世の中の仕組み、めざしている方向、すべて間違っている。文明人は滅亡へ、野蛮人は持続へ向かっている。このままではダメなんだ ! 人は、幸せのために生まれてきたのだ ! 人はみんなの幸せのために生まれてきたんだ ! みんなそのことを思い出さないといけない。自分はこのことを、一生かけて伝えていこう ! と思ったら、身体も劇的に治ったんだよ。
大嶋 すごいですね。僕には、そんな壮絶な体験はないんですが、人材育成セミナーの3日間の研修に行ったことが分岐点なんです。その実習の一つに、2人組になって片方が「本当に欲しいものは何ですか」と、ずっと問い続けるものがありました。頭に浮かぶものを言い続けているうちに、頭が真っ白になって、出てきた答えが「もっと自信と勇気がほしい」でした。そして最後に出てきた答えは「仲間がほしい」でした。そのとき、研修トレーナーの方に「日本が最も自分の可能性に気付いていない国。ほとんどの人が『自分にはできない』と思って生きている」と言われたんです。そのとき、この人のように可能性を引き出す人になりたいという夢、目標ができました。誰でも変われるし、輝けるってことを広めよう、それを一生涯やっていこうと思って、「てっぺん」というチームを作りました。
高木 そうか。すごくいいね。私は、てんつくマンにも中村文昭さんにも、君にも、とても期待しているんだよ。ぜひ一緒の方向を向いてやっていこう ! 今、政治家のための『政経塾』、経営者のための『経営塾』、一般の方には『ワークショップ』という1泊2日の体験の場を主宰しているんだけど、参加しませんか。
大嶋 ぜひスケジュールを教えてください。このままじゃいけないと強烈に感じています。これから自分に何ができるのか、本気で考えていきたいです。
高木 OK! 君はまだ若い。これからいっぱい力をつけてください。応援するよ。
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