スペシャル対談

2010年7月号 NPO法人神戸国際ハーモニーアイズ協会 理事長 渕上智信さん

市民による社会貢献共同体ユナイテッドアースを立ち上げた渕上智信さん(47歳)。市民一人ひとりが主役となって、よりよい社会作りのためにつながり合おうと呼びかけています。高木代表のUGC(地球市民連合)構想と共通する部分も多く、熱い対談となりました。
 

■ 世の中をよくしたい !

高木:おいでいただきありがとうございます。ではまず、私たちの出会いからお話しください。

渕上:高木さんのことは大分前から存じておりましたが、今年の3月、てんつくマンの紹介で、「平和会議」の打ち合わせで初めてお会いしました。

高木:先日の打ち合わせでは、渕上さんのユナイテッドアースと、私が10年前に提唱したユナイテッドシチズン(地球市民連合)の構想がとても似ているということで話が盛り上がりましたね。以来、定期的に集まって話し合いを持っていますね。では次に、お仕事について伺いましょうか。

渕上:
18歳のとき、「一人ひとりが幸せを実感できる社会を創りたい」と自分の使命を強烈に実感する体験をしました。最初は若者を集めて勉強会やイベントを始めるところからスタートしましたが、その後20歳のころに会社を興したんです。当事は資金もネットワークも無く、ワンルームマンションからスタートしました。

高木:
そんな若いころから、すごいね。

渕上:だんだん人が集まってきて、結果、何百人もの若者が集まるグループになりました。当初から「世の中を変える」という大きなビジョンは持っていましたから、まずは「感動多き人生を送ろう」ということを入口にしました。生き方や考え方、DNA、宇宙論、死生観、輪廻転生といったテーマでレクチャーを行い、それを撮影してビデオカリキュラムを作っていきました。

高木:すごいテーマですね。若いころに、よくそんなテーマを語ることができましたね。

渕上:18歳の頃の体験を通して得た真理をどう伝えたら人に届くのか思案しながら、いろいろな本を引用し、そこに自分が言いたいことをかぶせて伝えていくという手法をとりました。

高木:よほどたくさん本を読んだのですか。

渕上:そうでもないです。基本的に自分の中で答えがわかっていましたから、それをどう伝えるかという視点で、引用できる言葉を探しました。誰かに大きな影響を受けたということはありませんでした。

高木:そういえば私も、宗教や哲学の本を持ってこられて「同じことが書いてあります」と言われることがありますが、読んだことのない本がほとんどです。

■ 社会貢献の動画配信スタート

高木:その後、人材派遣と I T ビジネスで成功して、今は、本来やりたかった「世の中を変える」事業にシフトしているわけですね。

渕上:そうですね。今、メイン事業になっているのはより良い社会を主体的に創っていく「人物作り」です。一人ひとりが内なる良心を覚醒させ、持てる可能性を最大限に開いていくこと、それをHPC(ヒューマンパワークリエイション)システムというプログラムにして、学校や企業などさまざまなところで広めています。一過性の研修などとは違い、自身や他者を開いていくやり方そのものを伝授して、その人たちがファシリテーターやトレーナーとして組織内で人を継続的に育て開いていくという仕組みです。このシステムを通して、会社での信頼関係が深まったり、人生そのものが大きく変わった、という感動の物語がたくさん生まれていて、日々そうした報告を聞くたびに私自身も大きな勇気をもらっています。

高木:すばらしいですね。次はあなたのNPO、ハーモニーアイズについて聞かせてください。

渕上:HPCシステムの収益性が上がってきたことで原資ができましたので、2006年10月に神戸国際ハーモニーアイズというNPO法人を立ち上げました。日本のNPOというのは、思いはピュアですが経営がうまくいっていないところが多いと思います。そこで、しっかりとしたプロトタイプになれるようなNPOを作りたいという気持ちがあって作りました。そこの事業の一つがワッジュ(wajju)です。良心の和を集めていこうという意味の造語で、心を育む映像をアーカイブ化し配信する事業です。このワッジュは、NPO法人としてYouTubeの東アジア初の公式パートナーに選ばれました。

高木:それは、どういうことですか。

渕上:公式パートナーに選ばれると、動画をあげるときの時間制限が外れる、特集として取り上げてもらえるなど、大きなメリットがあります。うちが選ばれたというのは光栄なことだと思っています。

■ 市民が主体的に手をつなごう !

高木:レコードレーベルも持っているんだったね。

渕上:マイケル・ジャクソン等が始めた「We are the world」のように、CDを売ってその収益を社会貢献資金にしようとハーモニーアイズレコードを立ち上げました。昨年チャリティCDをリリースした時には、GReeeeNやFUNKISTなど、一流のアーティストからチャリティで楽曲を提供していただきました。さらに、今夏からは全国に約1400店舗を持つレンタルショップTSUTAYAさんと協働して、社会貢献が映像でわかるDVDのレンタルを始めます。人生がひらくきっかけとなるDVDが全国に並び、各地域でたくさんの人々がインスパイアされることを目指していきます。また、関東の方では、毎月新宿スタジオアルタであらゆる年齢、立場の人々が集い、学びや感動を共有する「集会」を行っていますので、こちらにもどうぞご参加ください。

高木:最後になりますが、ユナイテッドアースと絆(きずな)ピースウィークを簡単に。

渕上:
一人は微力でも、集まれば無限の可能性を持つ大きなチカラとなります。今こそ私たち市民が手をつなぎ、共により良い社会を目指して実践しましょう !というのがユナイテッドアースの構想です。

高木:それは私たちがユナイテッドシチズン(地球市民連合)と呼んでいたものに近いですね。圧倒的多数の人々が手をつないで、情報・資金・技術を提供すれば大きなパワーになる。そして市民が国境を越えて、国連さえできなかったことを成し遂げようというのが「地球市民連合」構想です。渕上さんがインターネットや音楽、映像の力を使って始めようとしているアイデアには、とても賛同します。

渕上:ありがとうございます。8月には絆ピースウィークを行います。ネット上でピースアクション宣言をしていただくもので目標は22万人。この数字は原爆で亡くなられた方の人数です。悲しい数字ですが、二度と繰り返さないという思いで設定しました。

高木:
もちろん協力しましょう。私たちは同じ方向をめざしていると思います。手をつなぎましょう。


■ 神戸国際ハーモニーアイズ協会
 
http://www.harmony-eyes.jp
■ ハーモニーアイズレコード
 
http://www.he-r.jp
■ 社会貢献専門動画サイトワッジュ YouTube公式チャンネル
 
http://www.youtube.com/user/harmonyeyesmovies
■ ユナイテッドアース
 
http://united-earth.jp
■ 絆ピースウィーク
 
http://www.harmony-eyes.jp/peace