フィンランドでは現在、世界最大級160万キロワットの原発が建設中であるが、膨らむ建設費が足かせとなって建設が進んでいない。2005年に着工し、2009年5月に完成する予定だったが、相次ぐトラブルなどで3年半遅れる見通しで、建設費は当初、約30億ユーロ（約3244億円）だったが、工事の遅れで2倍近くに膨らむことが分かった。フィンランドのアアルト大学の教授も「原発の大規模化で逆に高度な技術が要求されてコストが膨らんでいる」と指摘している。
一方、フランスでも原発の建設は難航している。現在建設中の原発が工事のトラブルにより、運転開始を2年延期することが昨年7月に明らかになった。それに伴い、建設費は33億ユーロから1.5倍に膨らむ見通しとなっている。

最近、日本では、欧州はCO2削減のために脱原発政策を転換したという報道がありますが、実際には政策は変わっていません。ドイツでは、2009年9月の総選挙で2022年までに廃止予定だった原発を最大14年間延長することを決めましたが、新規原発は禁止しています。一方、スウェーデンでも、国内にある全10基より増やさない方針を決めています。ドイツもスウェーデンも、原発は自然エネルギーへのつなぎと考え、自然エネルギー推進に意欲的に取り組んでいます。（『地球村』事務局）