東電 1カ月遅れで認めたメルトダウン
東京電力は、福島第一原発1号機で大量の核燃料が溶融し、圧力容器の底部にたまる「メルトダウン(炉心溶融)」が起きていたことを12日に認めました。また、2号機、3号機でもメルトダウンが起きていたことが、16日に東電が公表したデータで裏付けられました。
東電によると、原子炉の水位が、核燃料が完全に露出するレベルよりも低い位置にあることが分かり、燃料の大半が溶けて下に落ちるメルトダウンが起きたことを明らかにしました。メルトダウンによって圧力容器の底に穴が開いて、格納容器に水が漏れ出し、さらに格納容器からも原子炉建屋などに水が漏れているとみられています。
東電は4月17日に「燃料の一部損傷」を前提として、6~9カ月で原子炉を安定した状態で停止させるとした事故収束の工程表を発表しましたが、その時点ではメルトダウンが起きていたことを認めておらず、これより1カ月が経過して、ようやく「燃料の一部損傷」というこれまでの甘い見通しを修正しました。(5/13朝日新聞、5/17朝日新聞)