スペシャル対談

2013年11月 プロジェクト99%代表 安部芳裕さん

TPPなんてとんでもない、原発はいらない、消費税アップはキケンだ…

そんな国民の声がまるで届かない国政に対し、99%の国民が望む「みんなが安心して暮らせる社会」を作るために動きだした、プロジェクト99%。

未来を語り合う対談になりました。

1%の利権者より99%の国民

高木 こんにちは。対談は4年ぶりになりますね。
この頃はどんな活動を? 講演で全国を回っていると聞きましたが。
 
安部 実は、参院選は今年7月の予定だったので、それまで「原発・TPP・憲法改正・消費税増税」これらの問題を広めなくちゃと思い、ネットの拡散では限界があるので、全国の人たちに直に声を届けたいと思ったんです。そこでスポンサーを募って、無料で「プロジェクト99%タウンミーティング」を始めました。
 
高木 どのくらい回りましたか。
 
安部 2012年9月から始めて、この前の7月の参院選までの間に、大体200回くらいです。
 
高木 それはすごいですね。どのくらいの人が話を聴いたのかな。
 
安部 「参加者を30人以上集めてください」と呼びかけていて、平均して50人くらい、多いところで300人くらい集まりました。
 
高木 じゃあ、1万人くらいですね。立派、立派!
プロジェクト99%は、どういう仕組み?会員制?
 
安部 「原発・増税・TPP・憲法改正、この4つの問題をわかりやすく説明しますよ」というグループで、会員組織ではありません。
 
高木 スタートはいつ頃?
 
安部 サイトが正式にオープンしたのは、2012年の3月です。1%の既得権者のためではなく、99%の国民のために働く政治家を探して、応援していく、そのためのプロジェクトとして立ち上げました。全議員にアンケートをしたり、地元議員に会いに行くプロジェクトを呼びかけたり、「サルでもわかる」というシリーズで問題をわかりやすく解説したりしましたが、選挙では惨敗して…。

反原発・反TPP・反改憲!

高木 残念だったね。『地球村』でも、「参院選プロジェクト」として、政党別の公約一覧を掲載したサイトとチラシを作って投票を呼びかけましたが、応援していた政党は惨敗。よかったのは、山本太郎くんが当選したことくらいでしたね。

安部 そうなんです。今、山本太郎さんの政策アドバイスなどをさせてもらっているんですよ。彼は今、全国キャラバンをして、秘密保全法の危険性を訴えているところで、僕も一緒に回っています。
 
高木 あれは最悪。廃案にしないとだめですね。
 
安部 選挙の後に、秘密保全法と共謀罪が出てきて、国家安全保障基本法、要するに憲法を変えなくても集団的自衛権を行使できるようにする動きがあるんですが、ほとんどの人はそれを知らない…。そこで、その説明をして回っています。結局、日本も戦争がしたくてしょうがないんでしょうね。
 
高木 日米軍事同盟を強化して、「強い日本」「強い経済」を取り戻したいのが本音でしょうね。それは『地球村』が最も避けたい方向なんです。
 
安部 政府は愛国者のふりをしているけれど、原発を見れば、本音は「国防なんかどうでもいい」と考えているのは明らかですよね。本気で国防を考えたら、50基もの原発を愛する国土に並べておくはずがないんですから。
 
高木 その通りですね。原発はありえない。
 
安部 よく、「中国や韓国が反日教育をしている」といいますが、日本でも国政への不満を逸らすために、中国や韓国に反感を持たせるようにしているというのが本当のところだと思います。尖閣で、海上保安庁と中国の漁船が衝突したのは、ちょうど鳩山さんが「国内に米軍基地はいらない」と言い出した時期で、あの事件をきっかけに「中国は危険」「米軍基地は必要だ」と風向きが変わりました。
 
高木 事件を起こして反感を持たせて開戦するのは常套手段。いつか来た道。危険な兆候だね。
 
安部 そもそも秘密保全法がなんで出てきたかというと、日米安保が2005年に改訂されているわけです。そこで「日米同盟・未来のための変革と
再編」という新しい文書ができて、自衛隊は米軍の指揮下に入ったんです。日米が同一の軍事行動を起こす中で、米軍の情報が自衛隊を通じて外に漏れちゃいけないから、アメリカに「作れ」と言われてきた法案なんです。
 
高木 それは重大問題だね。米軍指揮下にあるなら、集団的自衛権どころの話じゃない。この問題は『地球村』としてもきっちり調べて、発信していかなくては。
プロジェクト99%の動きもサポートするよ。何か具体的にアクションの呼びかけがあればここでどうぞ。

3年後に政権をとろう!

安部 今、山本太郎さんが訴えているのは、「政治には期待しないでくれ。自分で政治家に直接働きかけるということを、みんなでやろう」ということなんです。メールでもファックスでもいいから、例えば「秘密保全法は反対だ」と送る。それが100通や200通では「クレーム」になってしまうけれど、何万という単位で届いたら、政治家は動かざるを得ない。それをみんなでやりたいと思います。
 
高木 そうですね。『地球村』でも、どこへ意思表示をすればいいかなど、情報を発信しているんだけれど、いろいろな方面から同時多発でアクションを起こしていくことが大事ですね。他には?
 
安部 あとは、これも山本太郎さんがあちこちで公言し始めていることなんですが、「3年後に政権をとる」「既存の政党はダメだから、3年かけて新しい勢力を作る」そう思っています。
 
高木 そこには緑の党も入って、みんなでですね。
 
安部 そうです。生活の党も、未来の党も、民主党の中にいるいい政治家たちも、みんな出てきて大同団結していけたら。今はまだ、安倍政権も人気があるけれど、来年4月からは増税して、景気も悪くなるし人気が落ちる。その時に受け皿となれる勢力を作っていきたいと思います。
 
高木 『地球村』も、君たちと連携していきたい。
情報発信、情報共有、これからも協力しましょう。
 
■プロジェクト99%
安部さんの新刊「すべての人が安心して暮らせる自由な社会へ~ベーシック・インカムという希望~」