環境トピックス

【環境トピックス】高濃度放射性物質含む汚染水漏れ:弁解放は東電指示!

福島第一原発の放射性物質を含む汚染水を保管する「H6」と呼ばれる地上タンク群で、高濃度の汚染水がタンク上部から漏れ、堰の外へ流出した。漏洩した水量はおよそ100トン、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が、1リットル当たり2億3千万ベクレル検出された。原因は汚染水の移送作業の過程で別のタンクに移送するはずだった汚染水が、誤って別タンクに入ったためだと東電は説明。汚染水を移送する配管弁の故障に疑いがあるうえ、本来閉まっているはずの別の弁2つが開いていたという。タンク水位が高いことを示す警報が鳴っていたが、現場では異常無しと判断し対応を怠っていた。東電は後日、弁解放は作業を簡単にするため指示していたと報告。しかし問題が発覚した後、うち1つが閉じた状態に戻るなど、「操作ミスか、故意かどうかもわからない」、甘い危機管理と東電任せの汚染水対策の問題点が浮き彫りとなった。被害を最小限に抑える努力がされず、複合要因が事態を深刻にしてしまった現場の状態は、アンダーコントロール(管理下)とは言い難い。

(2月20日毎日新聞ほか)