スペシャル対談

2005年9月号 (株)船井総合研究所創業者 船井幸雄さん


経営コンサルティングの達人・船井幸雄さんと高木さんとは10年以上の交流があり、時々、地球の現状、地球の未来について重要な情報交換をされています。いまお二人の見る世界の現状と未来は…。
 

「互いに、特別な使命を持っていますね」


高木 10年前、船井さんとの共著『『地球村』に生きる!』(95年ビジネス出版)をきっかけに、『地球大予測』『地球村宣言』の出版につながりました。良いきっかけをいただき、ありがとうございます。そもそも船井さんとの出会いは、出版の1、2年前のことなのですが、覚えておられますか?

船井 もちろん覚えていますよ。大阪で会いました。初めて会ったとき「この人は、特別な使命を持っている人だ」と勘のにぶい私にもわかりましたよ。そして「この人とは、これからいろいろ助け合うことになるだろうなあ」と思いました。当時、私が出しはじめた出版物で、『THE FUNAI』という21世紀のために大事な人や事柄を毎月紹介する企画がありました。その第2号は高木さんにお願いしました。高木さんの印象と、高木さんから受けたショックは、それほど大きかったということです。

高木 船井さんと私は、めざす目的は同じだと思います。私は、あの出会い以来、「船井オープンワールド」に皆勤で講演させていただいております。「多くの人にしらせる、伝える」というのが、私のミッション(使命)の一つですので、非常にありがたいと感謝しています。

船井 これから、今までの常識や価値観が通用しない大激変時代がやってきます。その中で、本物の生き方をする人たちがすばらしい世界を作るだろうと考え、各回のスペシャリストを講師に迎えて始まったのが「オープンワールド」です。「フナイオープンワールド」を9回、「船井幸雄・オープンワールド」に変えてから今年で4回目。高木さんが講演でおっしゃっていることは、一つひとつが本当に必要、必然のことばかりで、毎回大きなインパクトとショックがあります。以前は「船井クラブ」の全国大会や船井総研の社員研修の場でも話してもらいましたが、船井総研のみんなが高木さんの話に、感激するんですよ。私が、いつも同じことを言っているのに聞いてない(笑)。

高木 それはありがたいことです。では、ぜひまたお呼びください。お話ししたいことが、たくさんあります。
 

「意識レベルを上げていきましょう」


高木 環境のことをお聞きしたいのですが、よろしいですか。

船井 熱海の自宅では、季節を問わず一年中、四季の花が咲き乱れています。今も、秋のコスモス、冬のシンビジウム、夏のハイビスカス、春のラヴェンダーが、一緒に咲いています。いい場というのは、人の意識が作るのです。環境をよくしようという意識をみんなが持てば、必ず良い変化が起きるのでしょう。もちろん、大いなる変革のために、今の時代もあると思うのです。

高木 現在の象徴といえば、現状の政治と経済、資本主義やエゴイズムですね。それらも、いずれは壊れていくと思いますが、その辺りはどうお考えですか。

船井 私は、世の中で起こったことは、全部必要必然で、最善だと思います。良い世の中になるためには、とりあえずいろんなこと、つまらないこともやってしまうのでしょう。つまらないことが起こらないと、気づかないこともありますし、おかしな社会になったことで、動き出す人が生まれてきます。高木さんのように、世の中を変えようとする人、「意識転換」を訴える人が現れてきます。そのことで、人々の意識レベルが上がって、世の中は良い方向に向かうのだと思います。現在は、その転換期です。

高木 意識が変れば、すべては変わりますからね。人類は遠からず、大きな転換をしなければならなくなるでしょう。でないと滅びてしまいますから。

船井 経済学の世界でいうとね、「自分だけ良ければ」「今だけ良ければ」「お金さえ儲けられれば」という意識レベルの人は、経営が行き詰まってきているんです。これは時流ですね。私は、意識のレベルは五段階あって、

第一レベルは、エゴばかで生きている人、
第二レベルは、損得で生きている人、
第三レベルは、かなり進化して、どんなことも肯定して感謝して生きている人、
第四レベルは、包み込んで癒せ進化させる人、
第五レベルは、解脱している人、

だと思います。こうして意識レベルを上げていくことが、生きる目的でしょう。現在は、「トップ塾」(一般の方はご参加できません)を開いています。そこでは、これらのことを本音で話しています。

高木 実は、私もそうなのです。私もこれからは、講演活動とは別に、「虹の天使」を育てようとしています。「虹の天使」というのは、アメリカ先住民族・ホピ族に伝わる「世界の終わりが近づいた時、世界各地に現れ、誰の命令でもなく、自分の意志で、平和のために全力を尽くす人々」のことです。「虹の天使」の育成をする『地球村』塾を開塾しました。

船井 それはいいですね。意識の高い人たちを育てて、その人たちに精一杯動いてもらえればいいと思います。良い世の中になるまで、早くて数年、遅くても20年くらいでしょう。そうならないと、もうもたないほど、地球はおかしくなっていますから。

高木 私はもう少し時間がかかると思いますが、同感です。では、意識レベルを上げるときに、じゃまをするのは何だと思われますか。

船井 一つには「嫉妬心」だと思います。私は自分に対する執着や、物質欲や金銭欲がほとんどないのですが、無欲で願ったことは、見事に実現することを日々実感しています。ところが自分に執着して、他に嫉妬心を持つと必ずおかしなことになります。そうした意識を変えるのは、DNAの中にある嫉妬心のスイッチをOFFにすればいいのですが…。

高木 DNAのスイッチのON・OFFということは、よくわかります。最近は、自分勝手な思い込みで、自分を苦しめたり、周りに迷惑をかけたりする人が実に多いです。私は、こういうことを「誤作動、暴走」と呼んでいますが、政治家にも誤作動が多いですね。自己中心的な人が権力を握ると、必ず国民が犠牲になります。

船井 同感です。

高木 不思議ですね。自然界では、嫉妬心なんかあれば余分な争いが増えて不便だし、役に立ちません。つまり、自然界にはない嫉妬心が人間にはONになっていること自体おかしいのですがね。この世の中をいい方向へと持っていくのが、私たちの役割ですね。

船井 その通りです。高木さんと私とは、目的は同じですから、やり方がちがうので、お互いに分担し、協力し合いましょう。お互いに地球が大好きですからね。

高木 よろしくお願いします。
 

「アドバイザーは家内です」


高木 僕は、迷ったことがあると必ず妻に聞いてみます。客観的に考えてくれるので、「なるほど」と思います。船井さんの場合はいかがでしょうか。

船井 その通りです。私も家内のアドバイスは大切にしています。究極のアドバイスをしてくれますので、いつも感謝をして聞くようにしています。私も去年からクールビスを始めましたが、家内から「やってみてはいかがですか」と声をかけられて、「そうか、やってみよう!」と思ってはじめました。これが涼しくなかなかいいです。ですが、新幹線や飛行機は寒くて、背広は持って行っています(笑)。家内からは本当に学ぶことが多いですよ。

高木 素敵なことですね。奥様のアドバイスがいかされていますね。

船井 最近は、周りの人のアドバイスや娘(ゆかりさん)の言うことも感謝してきくよう心がけています。

高木 そうですね。周りの方の声を素直に聴くことは大切なことです。そこから気づきと発見があります。奥様と娘さんは、船井さんの素敵なアドバイザーですね。いいお話が伺えました。
 

「オープンワールドで会いましょう」


高木 今年の「オープンワールド」についてお話しください。

船井 これから大変革が来る、どのように来るのか、どのようにしたら良いのかを、とことん本音でお話しする場にしたいと思っています。この2日間「オープンワールド」に来ていただくと、未来に夢と希望が持てて、しかも具体的な目標を持てるようにしたいのです。「良い未来を作ろう」と決意してもらえることと思います。

高木 素晴らしい2日間になりそうですね。では私は、上手に生きるコツ「非対立の生き方」をお話しすることにいたしましょう。

船井 ぜひ、お願いします。地球上で上手に生きるコツというのは、私も知りたいところです。

高木 では、10月「オープンワールド」でお会いしましょう。お話しさせていただくことを楽しみにしております。

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