地球は今

【地球は今...】もったいない(1)

新テーマ「もったいない」の講演会が、始まりました。今月から数回に分けて、「もったいない」について皆さんと考えていきましょう。

大阪事務局 渡辺裕文

■もったいないとは?

 「もったい(勿体)」 = 「大切」「重要」

 「もったいない」 = 「大切にしない」「粗末にしている」

  ※それが転じて、無駄にしてしまったり粗末に扱われたりするのが惜しいという意味になっています。

ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん(ケニアの女性環境副大臣)が、「もったいない」という日本語に感銘を受け、「MOTTAINAI」という言葉を環境保護の合言葉として世界に広めようと決意され、国連などで世界に発信しています。

●私たちの生活の中で「もったいない」と感じるときは?

日頃の生活の中で「もったいない」と思いつつ「まあ、いいか」とやり過ごすことってありませんか。すぐに戻るからと部屋の電気をつけっぱなし、まだ食べられるものを捨ててしまうとき、シャワーや歯磨きで水を流しっ放しにしているとき、料理の作りすぎ…等々 まだまだたくさんありますよね。「ああっ…」と思いつくことを、一度リストアップしてみると良いと思います。

ここで、私たちの生活が50年間でどのように変わってきたかを少し振り返ってみましょう。

●自動車は?

50年前、日本の自動車は33万台でした。現在は、なんと7,500万台。200倍に増加しました。この自動車を1列に並べるとどれほどの長さになるかというと、75万キロ、地球18周以上の長さになります。その結果どうなっているのでしょう。

  • 交通事故による死傷者は年間120万人。毎年、国民の100人に1人が自動車の事故によって死んだり怪我をしたりしています。今の日本は「交通戦争」の真っ只中にあると言えるでしょう。
  • 自動車には駐車場が必要です。一台で占める面積は5坪。普段、自宅や勤務先など数ヶ所の駐車場を使います。道路の面積1万3千平方キロを加えると、自動車に必要な土地は2万平方キロにもなります。東京都の10倍、四国4県とほぼ同じ面積が道路と駐車場だけに使われているのです。

★失われていく命や、ただ自動車のためだけに使われている土地が「もったいない」

●電気製品は?

電気製品などについて、たとえば台所の器具を見てみると50年前には、七輪、かまど、電熱器ぐらいしかありませんでした。今は、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い機、電気ポット、IHコンロ、IH炊飯器、ガス湯沸かし器、浄水器、生ごみ処理機、…数え上げるときりがありません。このように家庭の電気製品が増えて、光熱費(1ヶ月)は、20倍以上になり、その結果、温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は15倍になりました。

★生活は、豊かになったかもしれませんが、家族と一緒に食事や団らんで過ごす時間が減ったのではありませんか。その時間が「もったいない」

●食事は?

今、「買い物は、産地をチェックして」という方も多いですが、日本の食糧のほとんどは海外からの輸入です。主な食品の自給率は「米100%」「魚49%」「麦10%」「卵9%」「大豆5%」「肉類5%」となっています。私たちが毎日、当たり前のように食べている味噌、しょうゆ、卵、肉、ビールなども、国産が多いから大丈夫だと思いがちですが、実はその飼料や原料の大半は輸入されています。多くのものを輸入しながら、私たちは毎日、日本の食糧全体の26%、約3000万人分の食糧を無駄に余らせて捨てているのです。

★食糧を捨てているだけでなく、農業や漁業に従事している人々の気持ちも一緒に捨てている気がしませんか。ほんとに「もったいない」

 私たちは50年かけて、モノがあふれる豊かで便利な社会を作ってきました。その一方で、多くのモノをまだ使えたり、食べられたりするのに捨ててしまいます。そして、モノの大切さが失われると同時に、気持ちの大切さ、命の大切さまで薄らいで来ているように思います。お金がもったいない、モノがもったいない、食べ物がもったいない、気持ちがもったいない、命がもったいない…。

「もったいない」という日本人が語り継いできた大切な言葉を今、考え直すときが来ています。