【環境トピックス】核燃料再処理、試運転へ (京都新聞3/29 、毎日新聞 4/7,4/8)
原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本初の再処理工場(青森・六ヶ所村)が試運転を始めた。
このスタートに電力業界は歓迎ムードだが、再処理では放射性物質などが環境に放出されることが避けられないため、その危険性を懸念する声も根強い。
実際に六ヶ所工場ではクリプトン85と呼ばれる放射性物質を一年間に33京ベクレル(京は兆の一万倍)も空気中に放出する。
これは一般的な原発の制限値の約400倍。
さらに海水中にもトリチウムなどを放出する。
これらの物質は食物連鎖を通じて人体にも取り込まれる。
六ヶ所再処理工場が技術提供を受けた仏ラ・アーグ再処理工場では、“周辺10キロ範囲で小児白血病の発症率が通常の2.8倍に増えた”との報告もある。
さらに抽出されたプルトニウムの行き先についても不安の声があがっている。
現在プルトニウムの受け入れを表明しているのは九州・玄海原発のみだが、当面は日本が再処理を委託してきた英仏などで作られたプルトニウムが使われる。
そのため六ヶ所での生産分が使用されるようになるのは2012年以降で、それまでは蓄積され続ける。
専門家は「核兵器国を超えるプルトニウムがたまりかねない。
テロに遭う危険も高い」と警告している。