環境トピックス

【環境トピックス】チェルノブイリ事故 傷跡いまだ消えず (京都新聞 4/26ほか)

原子力発電史上最悪の惨事となった旧ソ連チェルノブイリ原発事故から20年が経過したが、原発のあるウクライナと隣国ベラルーシ、ロシアの三国では現在も計500万人以上が放射能汚染地域での生活を余儀なくされ、事故が残した深い傷跡は依然消えていない。

放射能による死亡者をめぐっては、数千人とする国際機関の推定と、約20万人とする環境団体の主張が大きく食い違っており、被害の全体像はいまだに不明確のままだ。
また放射能汚染の影響で子どもの甲状腺ガンが増えており、この20年間で18歳以下の約4千人が発症し、9人が死亡したとされる。
(甲状腺ガンは摘出手術により治癒はするが、ホルモン剤の服用と通院が欠かせず、病気と一生つきあうことになる)
さらに、放射能漏れを防ぐために爆発した炉を覆った石棺も老朽化が激しく、二次汚染が懸念されている。
いまの石棺をすっぽり覆う第二石棺計画が進んでおり2010年ごろの完成をめざしているが、資金が予定通りに集まらず、大幅に遅れている。
第二石棺が完成したとしても耐用年数は100年。
セシウムの放射能が1/1000になるのに300年かかるため、何代にもわたって造り変えることになる。