地球は今

【地球は今...】「世界の貧困」は今・・・

世界は今、国ごとの格差が開き、豊かな国はより豊かさを求め、貧しい国は貧しさから脱却するきっかけすら見つけられない状況です。今世界で何が起こっているのでしょう。そして、私たちにできることは何なのか・・・。今回は、世界の貧困を改めて考えましょう。

あなたが食べている「白身魚」の背景は?

白身魚の背後に貧困が (映画「ダーウィンの悪夢」より)

世界で2番目に大きな淡水湖のヴィクトリア湖は、生息している生物の多様性から「ダーウィンの奇跡」と呼ばれ、周辺では漁などで自給自足の生活をする人も多かったのです。

1950年代に、アマゾン原産の外来魚(スズキに似ているナイルパーチ)が食用の目的で放流されました。肉食性のナイルパーチは、在来魚を食いつくし、生態系は崩壊、湖の浄化作用もなくなり、湖底はヘドロで覆われました。

ナイルパーチの加工工場が世界銀行などの融資で建設され、一大魚産業が誕生しましたが、豊かになったのは、この魚産業に関わる一部の人たちだけです。

湖の恩恵で生活していた多くの人々は、自給自足ができなくなり、貧困が広がりました。生活のため、売春婦となる女性も。その結果として、エイズが広がりました。エイズや貧困により、両親が死亡した子どもがストリートチルドレンに。子どもたちの間に、ドラッグ、タバコ、シンナーが蔓延しています。

魚は欧州や日本に輸出され、「健康には白身の魚」として食べられています。
魚を運ぶ飛行機でアフリカに武器が運ばれ、紛争が続く要因にもなっています。

日ごろ私たちが手にしているものの背景を探ると、生産地の環境、地域住民の生活、そして地球環境までをも破壊しているものがたくさんあります
  • 牛肉、大豆が原生林を奪う:ブラジルのアマゾン原生林を工業的焼き畑農業で次々と開墾し、牧草地や大豆畑として使われ、その後砂漠になっていきます。 ブラジルの輸出量は牛肉が世界第1位、大豆が世界第2位です(牛肉や大豆は、アメリカ、日本などへ大量に輸出されています)。
  • エビがマングローブの原生林を奪う:えび(ブラックタイガー)の養殖場は、東南アジアやオーストラリアの海岸線にあるマングローブの原生林を伐採して作ります。 マングローブを伐採した海岸は浄化作用がなくなり、ヘドロで汚染されます。この悪循環のため養殖エビは、病気を防ぐ抗生物質などでの薬漬けになっています。 日本で食べられているエビは90%が輸入もので、毎年約24万トン(一人当たり約2キロを消費)を輸入しています。
  • マグロがミルクフィッシュを奪う:インドネシアやタイなど東南アジアの国々で貴重なタンパク源だったミルクフィッシュは、マグロ漁の餌として大量に消費されるようになり値段が高騰、 現地の人にはほとんど食べられなくなりました。クロマグロなども、漁獲量の急増によって絶滅危惧種に指定されています。
  • 携帯電話が生活を奪う:携帯電話などIT機器に必要不可欠な金、コバルト、タンタル等の希少金属はアフリカの国々で多く産出。 その利権をめぐり先進国や多国籍企業が介入し、戦争が起きています。1988年から続いているコンゴ民主共和国でのタンタルの利権をめぐる紛争では300万人以上が死亡し、数百万人が難民となっています。
なぜ、多くの途上国でこのようなことが起きているのでしょうか?
  • 豊かな国が、貧しい国を搾取するために利用するという図式は、19世紀から始まりました。 途上国の多くは、先進国の植民地となり、先進国の工業や食料のための原材料(綿花、砂糖、バナナ、コーヒー、鉱山資源等)を強要されました。 第2次世界大戦後も先進国の政策によって、原材料を安く売って、工業製品を高く買うという構造は変わらず、現在も債務が増え続けています。
途上国の実態
  • 途上国の負債は、アフリカだけで3,350億ドル(毎日7万ドルの返済が必要)。債務返済のため、教育、保健、衛生、栄養予算などの削減を強いられています。
  • 子どもが5人に1人以上死亡している国は、12カ国 (シェラレオネ、アンゴラ、ニジェール、アフガニスタン、リベリア、ソマリア、マリ、コンゴ民主共和国、赤道ギニア、ギニアビサウ、ルアンダ、チャド)です。
  • 平均寿命が40歳未満の国は、29カ国 (うちアフリカ28カ国) もあります。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心」(マザー・テレサの言葉)
私たちの生活は、途上国の悲惨な生活の上で成り立っている砂上の楼閣のようなものです。私たちが日ごろ手にする物に関心を持つことが、世界中の全ての人が幸せになること、愛が世界に広がることにつながります。
【できることから始めましょう】
  • 私たちが日常使っているものの原産地、背景を知りましょう
  • 欲しいものではなく、必要なものを基本にして購入しましょう
  • 私たちの生活は世界とつながっているという観点から、世界の現状に関心を持ち、できることを考えましょう

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