巻頭言

【巻頭言】不都合な真実

いじめはなぜ起こるか、その問題解決について書こうとしたのですが、その根本原因を知ってもらうために少しかたい話(まじめな話)をします。
現状認識は大切なことですが、とても『不都合な真実』なのです。
※映画『不都合な真実』をぜひご覧ください。大切なメッセージの映画です。

★現状の社会の仕組み
現状の社会は、まぎれもなく経済成長をめざしています。
政治の優先順位は、第一がGDPの増大、第二が国家の威信です。
企業や業界の優先順位は、第一が売上、第二が企業イメージです。
しかし個人が求めているのは、経済の安定もありますが、健康、安らぎ、将来の安心、平和な家庭、平和な環境です。つまり、国家や業界のめざしているものと一致していないのです。
現状の社会は、経済を優先する結果、自由や平和、環境が守られないのです。
なぜなら、平和よりも戦争の方が、経済効果がはるかに大きいからです。
(戦争は軍需産業だけでなく、鉄鋼、造船、航空、自動車産業、エネルギー産業に大きな利益をもたらし、また戦後復興では、すべての産業に空前の利益をもたらします。だから現状の社会では、戦争は無くならないのです)

★政治が動くとき、必ず経済が動く
「強度偽装問題」は建設業界の建て替え需要のビッグチャンスです。
「セキュリティ、安全確保」は保安業界のビジネスチャンスです。
「個人情報保護法」は情報関連産業の大きなビジネスチャンスです。
もしも、防衛力の増強、憲法改正が決まれば、軍需産業に計り知れない利益をもたらすでしょう。その分、国民に大きな負担と危険が来るのです。
一つひとつの政策には大きな経済効果があり、関連業界には大きな関心があります。だから、族議員(業界から送り込まれた政治家)が多数存在するのです。
この社会は、そういう仕組みで動いているのです。
ただし、経済効果という言葉に、美しい誤解をしないように。
[経済効果=業界利益と税収アップ=市民の出費の増大]です。
これが、『不都合な真実』なのです。

★一例として、「少子化」・・・いいの?よくないの?
少子化は、「人口が減る、国保・年金の加入者が減る」など、現状の経済では困る面がありますが、長い間、ずっと人口3千万人だった日本が、わずか100年で1億2千万人、つまり4倍もの人口爆発をしたのです。
この人口爆発が、現状の問題(過度な競争、資源の枯渇、食糧不足、環境破壊)を起こしているのです。この人口爆発した人口を維持しなければいけない理由は、どこにもありません。むしろ、自給自足の可能な人口にゆっくりと戻していくことが必要なことは、誰でもわかることなのです。
人口が元の状態に戻ると、消費も環境負荷も1/4になります。
過度な競争も、現状の経済格差も大きく緩和、改善されます。
資源やエネルギー、食糧も自給自足できる可能性が生まれて来ます。
政府や経済界の宣伝に惑わされず、「人口は自然のバランス(自給自足内)」に戻るしかないのです。それは自明の理です。自然の理です。
いくら政治で無理をしても、自然の理には逆らえないのです。

★戦争も環境破壊も、社会の仕組み
現状の社会のもっと大きな問題は、この仕組み(経済拡大、消費の拡大)が、資源の枯渇、飢餓貧困、紛争や戦争、環境破壊を加速していることです。
【食糧】日本はあと10年から20年で輸入ができなくなるでしょう。
【エネルギー】日本はあと10年から20年で輸入ができなくなるでしょう。
【地球環境】温暖化、森林破壊、砂漠化など、あと50年で地球規模の破局。
現実はここまで来ているのに、まだ政治経済の流れが変わらないのです。
なぜならば、『不都合な真実』を知らせないから。隠しているから。

★根本的解決
正しく現状認識ができれば、どうすればいいかは明白です。
現状の「経済拡大、消費の拡大」の方向を、「環境、永続、調和」に変えなければならないのです。これに気づいた人たちがグリーンコンシューマです。その人たちが、今、ロハス、オーガニック、エコライフ、スローライフを広げようとしているのです。
社会の価値観を変えることは、今すぐにはできませんが、今すぐ始めなければならないのです。時間をかけて、改めていかないといけないのです。
そうしない限り、この世界に未来は無いのですから。
あなたもぜひ、グリーンコンシューマになって、それを実践し伝えてください。
グリーンコンシューマが増えれば社会が変わります。
あなたもグリーンコンシューマを増やしてください。

★教育
現状の教育は、大きな問題が二つあります。
一つは、国家が検定した教科書によって教育する“国家教育”であること。
つまり『不都合な真実』を知らない人間、現状認識ができない人間、自分の頭で考えることのできない人間をつくり出します。
もう一つは、教育は「教え育てる」ということ。
つまり、「こうなんだ、ああなんだ」と教え、テストすることで「覚えたかどうか」を判定する“○×教育”です。
これも、第一の問題点と同じく、自分の頭で考えることができない人間をつくります。

★ビジョン(未来の社会)
問題がわかったとき、解決がわかるものです。
問題が二つあるのですから、その二つを改めればいいのです。

1.国家教育をやめること
急に変えると混乱(パニック)が起こりますから、国家検定をやめ、教育は民間の非営利団体に移行し、徐々に『不都合な真実』を知らせていく。
人々は事実を知れば、どうすればいいか自分で考えます。

2.「教育」を「学問」に変えること
教育は「教えられる」ことであり、主人公は常に誰かに教えられているのです。生徒は教師に、子どもは親に、社員は上司に、「教えられる」のです。
しかし、学問は「学び、問う」ことであり、主人公は自ら「学び、問う」ことができるのです。教育と学問は正反対、主客転倒なのです。
人々は、学問(学び、問う)によって、

【1】『不都合な真実』を知ることができ、
【2】その根本原因を知ることができ、
【3】どうすればいいかを知ることができます。

すごいことだと思いませんか。
みんなが、自分の頭で考え、自分で判断して行動できるようになるのです。
現状の社会の仕組み(経済、お金、利権)を少しずつ改めることができるのです。
人々は、お金よりも生き方を、目先よりも未来を、経済よりも環境を、戦争よりも平和を享受できるようになるのです。
人は、環境を破壊せずに、戦争を無くし、飢餓貧困を無くし、平和に生きる方法を必ず見つけることができるのです。