地球は今

【地球は今...】「原子力発電」は今

六ヶ所村(青森県)の核燃料再処理工場は、以前から数々の問題点を指摘されながら、本格稼動に向けて実験が進められています。
今回は日本の原子力発電や核の問題を、私たちの身近な問題として考えてみましょう。

原子力発電所とは

原子炉で核燃料(ウランやプルトニウム)を核分裂反応させるときに発生する熱エネルギーを利用して蒸気を発生させ、タービンを動かして発電する発電所のことです。

使用済み核燃料を再処理して核燃料を作り出すリサイクルが実現できると、無限にエネルギーを発生できると考えられ、 1960年代には「夢のエネルギー」と言われていました。
しかし、処理の難しさや放射能の危険性などのため、まだリサイクルが実現できていないばかりか、再処理燃料が使われる見通しも立っていません。

世界の原子力発電所

現在、世界で稼動している原発は439基。建設中・計画中の原発は75基です。

  • アメリカ…世界最多の原発を持っていますが、1979年スリーマイル島での原発事故以来、約30年間、新規建設は行なわれていません。
  • フランス…アメリカに次ぐ原発大国。緑の党の台頭などから、高速増殖炉「スーパーフェニックス」(日本の「もんじゅ」と同じ種類)の建設を中止、新規建設予定は1基のみです。
  • ドイツ…2023年頃までにすべての原発を段階的に廃止する法律を制定し、旧いものから閉鎖が始まっています。
  • イギリス…新規の建設予定はありません。旧い原発から順次閉鎖されており、すでに20基以上が閉鎖されています。
  • スウェーデン、オランダ…2020年に全廃の予定です。

ご覧の通り、世界では、原発を新規に作らない、減らすというのが主流です。しかし日本では...

  • 日本…新規の建設予定、建設計画数ともに世界で最も多く、今もフランスで建設を中止した同型の高速増殖炉「もんじゅ」の稼動を推進しています。
原子力発電所の破壊が起きた場合

日本の原子力産業会議がまとめた報告書(1960年)では、一基の原子力発電所が破壊した時の被害額は国家予算の2倍に達すると報告されました(右表)。
現在は原子力発電所の規模も大きくなり、事故の際の被害額ははるかに大きくなると予測されます。
たとえば、静岡県の浜岡原発が事故を起こしたときには、被害者は190万人、首都圏が放射能で汚染されるといわれています。

原子力発電所の大きな事故
  • スリーマイル島事故
    1979年3月28日アメリカ・スリーマイル島の原発で、故障・運転ミスなどが重なり、冷却材が無くなり、空焚き状態になって放射性燃料が溶融しました。
    爆発が起きなかったため、大惨事は免れました。
  • チェルノブイリ事故
    1986年4月26日ソ連(当時)のチェルノブイリの原発が暴走し爆発。大量の放射性物質が全地球規模に拡散する最悪の事態になりました。
    周辺3カ国(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)で甲状腺ガンなどが多発し、被害者は4万人と言われています。
核のゴミ処理の問題

原発の廃棄物である高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)は、現在日本に約12,000トン。
これを安全に処理(放射線量が安全な数値になるには1万年以上必要)する方法は見つかっていないため、地下に埋める方法を検討しています。
しかし、日本は地盤が不安定で、地震などで地下埋設施設が破壊する危険性も大きいのです。

原子力発電所がなくなると大停電が起きるのでしょうか

2004年東京電力は点検のためすべての原発を一時停止しましたが、停電は発生しませんでした。
仮に日本の原発54基を全て停止したとしても夏場のピーク時以外は、十分にまかなうことができると考えられています。
しかし、原子力発電の危険性と地球温暖化の問題を考えると、問題の根本解決は、私たちがいかに省エネに取り組むかにかかっています。

【できることから始めましょう】

私たちに出来ることは、少しでも電気の使用量を減らすことです。白熱電球を省エネ(蛍光灯)電球に変える。
エアコンの設定温度を1~2度弱める、待機電力を減らす(スイッチ付コンセント)など身近なことから始めましょう。

右の表は、電力消費量を原発の数で表しています。目安として下記が実現すると、合計6基の原子力発電所を使わなくてすみます。

  • エアコンを使う時間を半分 ⇒ 原発 3.5基減
  • テレビを見る時間を半分 ⇒ 原発 1.5基減
  • 自動販売機で買うのを止める ⇒ 原発 1基減