地球は今

【地球は今...】「世界の貧困」は今   映画「ブラッド・ダイヤモンド」

『地球村通信』 2月号の“「世界の貧困」は今”は多くの反響がありました。今回は、二つの映画をご紹介することで、より「世界の貧困」の現状に踏み込み、先進国と「世界の貧困」との関係を考えていきましょう。

途上国はなぜ豊かになれないのか?

今、私たちの暖衣飽食の生活は、途上国からの輸入に支えられています。私たちが豊かさを享受し続けるための仕組みが、途上国の債務を増加させ、より貧困に向かわせています。右記表のように、世界の最富裕層と最貧層の格差は、年々拡大し、現在では100倍近くになっています。現状を変えなければ、この格差は決して縮まることはありません。

ご紹介する映画は、多くの人々に、世界の貧困の現状と紛争がなくならない世界の現実を訴えています。
私たちの目にしているモノの向こう側に、「不都合な真実」が隠されているのです。

コーヒーの向こう側?
(ドキュメンタリー映画「エチオピアコーヒー生産国の悲劇」より)

エチオピアは、労働者の4分の1がコーヒー産業に従事しているコーヒー大国です。この国のコーヒー豆はブラックゴールドと呼ばれ、エチオピアの経済は輸出の半分をしめるコーヒーで支えられています。
コーヒー豆の値段はニューヨークの証券取引所で決められるため、非常に安価に設定され、さらに先進国の商社が中間業者として入るため、私たちがコーヒーに払っているお金の1000分の1程度しか生産者の収入になりません。
働いても、働いても豊かにならないため、コーヒー生産者が非合法の麻薬の栽培をすることもあります。

  • 途上国と先進国の格差
    この映画で描かれているように、価格や貿易のルールを設定しているのは先進国です。私たちが支払っているお金の大部分は途上国ではなく、先進国の企業の利益となり、途上国と先進国の格差はより広がっていきます。
宝石の向こう側の真実を知っていますか?
(映画「ブラッド・ダイヤモンド」より)

1991年アフリカ西海岸にある国シエラレオネで、反政府軍(RUF)が、産出されるダイヤモンドを財源に武器を購入し蜂起しました。同じ国の者同士、友人や家族さえも敵味方に分かれて、2002年に終結するまでにたくさんの血を流し、7万5千人の死者を出したのです。内戦によって引き裂かれた家族の苦しみ、難民キャンプでの生活、銃を持って戦う少年兵の苦悩、戦争で利益を得ている一部の人たちなどの現実を描いています。

内戦が終結してもシエラレオネの人々の、心の傷、家族を失った苦しみは癒えず、貧困は今でも続いています。難民となり、どう生きたらいいのかわからない人たちが数百万人います。紛争の原因であったダイヤモンドは、今でも盗掘、闇ルートから輸出されるなど、アフリカでの武器購入の資金として利用され、さらに悲惨な連鎖を引き起こしています。

  • 先進国が引き起こしている途上国の紛争
    シエラレオネの「血(ブラッド)のダイヤ」以外に、アフリカの豊富な地下資源を巡ってさまざまな紛争がおきています。 コンゴ民主共和国では、ダイヤ、金、銅や携帯電話などに不可欠な希少金属(タンタル、コバルトなど)の採掘権を狙って欧米諸国が介入し、それがきっかけで内戦となり、紛争は今も続いています。 ナイジェリアでも石油の利権を巡ってテロなどが頻発するなど、政情不安や紛争中の国がいくつもあります。
「この悲惨な連鎖を止めることができるのは、先進国の私たちがダイヤをほしがらないこと、ダイヤを買わないこと以外にはない」
(ブラッド・ダイヤモンドより)

【私たちにできること】

  • 生活の中にあるモノの背景をすべて知ることはできませんが、一つひとつの背景をよく知ろうとすることが大切です。
  • 豊かさについて考え、贅沢(暮らし、品)を求めない、欲しがらないことです。

※映画「ブラッド・ダイヤモンド」は、4月7日より全国で上映中です。ぜひご覧ください

◆武器規制の願いをこめて…折り鶴アクション◆

武器の規制を求める国際キャンペーン「コントロール・アームズ」
世界中の悲惨な戦争、紛争を減らすために、国際的な武器の取引を規制する条約を取り決めることを世界中のNGOが協力して進めています。 今年は、この条約を決める鍵を握る国連常任理事国(アメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランス)の首脳宛に、平和のシンボルである折鶴を送るキャンペーンを始めました。 15センチ以内の紙で多くの折鶴を作成し、平和の気持ちを世界に届けましょう!

◆書籍紹介◆ 「ぼくは13歳 職業、兵士。」 鬼丸昌也・小川真吾 著 合同出版 刊

アフリカの少年兵の現状を伝える書籍「ぼくは13歳 職業、兵士。」を『地球村』でも扱いはじめました。団体会員であるテラルネッサンスの代表・鬼丸昌也氏と、小川真吾氏(『地球村』の元スタッフ)が、実際に行なっている現地支援や調査を基に書いています。
『子ども兵の現状と小型武器による被害は、私たちの想像をはるかに超えるほど深刻で悲惨なものです。問題の背景にある貧困や武器取引、資源紛争など、先進国に住む私たち自身が問題の根本原因になっているといえるかもしれません』(あとがきより)