【地球は今...】マイ箸・割り箸から世界が見える
皆さん、「出かけるときはマイ箸を!」ですよね。マイ箸もやっと市民権を得てきたようですが、まだまだこれからです。
マイ箸、割り箸から見える世界は、問題が山積みです。事実を知り、できることを考えていきましょう。
箸、割り箸の始まりは?
日本で箸が使われ始めたのは7世紀のはじめです。聖徳太子の時代に中国の食生活に倣って箸が使われるようになりました。
この頃の箸は竹製だったことから、「箸」の漢字には竹冠が使われています。
割り箸が使われるようになったのは江戸時代といわれ、竹製や吉野産の木製の割り箸が使われていました。
割り箸の需要が急増!
1970年代になって、弁当やお寿司の大手チェーン店、コンビニ、居酒屋などの外食産業が急速に拡まったことで、需要が急増しました。
現在では、1年間に約259億膳(一人が1年間に約200膳使用している計算になります)を消費しています。
この木材の量は、木造住宅にするとおよそ2万軒分に相当します。私たちは1回使用するだけの割り箸を使うことで大量の木材を使い捨てています。
環境への影響は?
もともと割り箸は国産の木材の端材を利用していましたが、消費量が急増するにしたがって、原料に海外産の木材を使うようになりました。
割り箸の自給率は1989年に32%まで減少。その後も自給率は減少し続け、2005年の自給率は、2%にまで落ち込みました。
輸入材は99.6%が中国の木材を使用し、この木材輸入のために大量のエネルギーが消費されています。
中国では、割り箸など日本の木材消費の増加などが原因で、山から森林が消え、洪水や河川の断水なども起きています。
木材消費の中で割り箸は何%?
日本の木材消費全体を見てみましょう。
年間の木材消費は9000立方メーターです。
この数を身近な物に置き換えると、家の柱ほどの木材(直径14センチ×8メートル)を7億5千万本(一人が1年間で6~7本の計算です)使っていることになります。
このうち、建築関係で消費される木材が43%、紙として消費される量が42%、家具・建具などでの消費が6%です。
割り箸だけでも、丸太にして400万本という大量の木材を消費していますが、それでも木材全体の消費に対する割合は、わずか0.5%に過ぎません。
★ 紙の消費はどれくらい? ★
私たちが一年間に使う紙類は3000万トン。一人が1年間に約240キログラムを消費しています。私たちの体重の4倍もの重さの紙を使っているんですね。
その原料となる木材は80%が輸入。割り箸同様、大量のエネルギーを消費し、半分近くの紙を使い捨てています。
では、なぜ今マイ箸なのか?
問題は、木材の大部分を一回で“使い捨て”にしている割り箸だけではありません。
私たちは日常的に多くの紙を捨て続け、新しいインテリア、おしゃれな生活のために古い家具など、大量の木材を捨てていることも忘れてはいけません。
まずは、私たちの生活そのものを見直すことが大切です。自分の生活を見直すひとつのきっかけとして「マイ箸」を使ってみてはいかがでしょうか?
- マイ箸を持とう
- 紙の使い捨てを減らそう
→ トイレットペーパーはリサイクルできません。再生紙を選びましょう
→ いらない紙袋、本のカバー、紙ナプキンなどは断るようにしましょう - 物を大切に使いましょう
- 森林保護の活動に協力しましょう。植林などに参加することも大切です