巻頭言

【巻頭言】日本の今後

7月の選挙の意味、現状の日本の政治、今後についてお話します。

★日本は戦後62年間、政権交代なし
近代国家では二大政党(アメリカなら共和党と民主党、
ドイツなら社会民主党とキリスト教民主同盟、
イギリスなら労働党と民主党)が政権交代することで政治の腐敗を防いでいます。
しかし日本は戦後62年間、政権交代が無かったのです。
その結果、軌道修正が働かず、多くの問題を抱えることとなりました。

★最大の問題は経済至上主義
1.消費社会、浪費社会、貧富の格差の拡大(社会的弱者の増大)
2.政治と企業の癒着、談合、巨大な無駄(箱物、ダム、埋め立てなど)
3.環境軽視、温暖化防止が進まない、環境税が導入できない
4.原子力発電の推進(大地震などによる危険の増大)

★軍備強化
1.アメリカへの異常接近、日米軍事協定の強化、隣国と不和
2.憲法9条改悪、平和憲法の破棄へ、危険な状況

★国民の意識低下
1.政治不信、無関心、モラル低下
2.夢がない、希望がない

これらは長期政権の弊害です。政権交代によって方向転換が必要です。

★参議院の第一党が野党になった意味
いままでは衆議院も参議院も与党(自民党+公明党)が過半数を占めていたため、政府案は必ず可決できました。
本来、二院制は、違う観点から議論するものでしたが、その機能が働いていなかったのです。
今回の選挙で、野党が過半数を占めたため、政府案を参議院が拒否することができるようになりました。
しかし、参議院で否決しても、それだけでは大きな政策転換は難しく、政権交代には、早期に衆議院の解散、総選挙が必要です。


★原爆投下について(8月6日の私のブログ日記)
人類最悪の原爆は必要悪ではなく、絶対悪です。
その原爆投下の意味、知っておいてください。
日本を降伏させた国が戦勝国として、日本の占領と、戦後世界をリードできる。
5月にドイツが降伏、残るは日本だけ。
日本の敗戦が時間の問題となった7月、ソ連は中立条約を一方的に破棄、国境に兵を集結させた。
アメリカは、ソ連の日本侵攻の直前、日本に無条件降伏を通告、原爆投下に踏み切った。
これにより、戦後、実際にアメリカは世界支配を実現した。
原爆投下は、アメリカの主張する「日本国民やアメリカ兵の戦死を減らすため」ではない。
アメリカの戦後世界の覇権(支配権)争いのためであった。

★憲法9条(平和憲法)の意味
第9条は、「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を明確にうたっています。
憲法は、現状の軍隊のような自衛隊を認めていないのです。
自衛隊は1950年、朝鮮戦争の際、米国の軍事圧力のもとで作られた。
名称は「警察予備隊」、現実は日本から出撃する米軍の後方支援でした。
その後、アメリカの求めるまま増強され、年間予算5兆円(世界第2位)世界有数の軍隊になり、
小泉前政権は海外派兵を行い、現在も米軍の海上輸送、燃料補給などをしています。
現実は、憲法から大きくずれてしまっています。
そこで、 自民党と民主党は「現実に合わせて、憲法を変えよう」と主張。
自民党は「集団的自衛権」を認めようとしている。
これは、同盟国(アメリカ)が攻撃されたとき日本は相手国を攻撃することができる戦争国家になることを意味し、平和憲法を放棄することになります。
民主党は「ここまでは認める、それ以上は認めない」ということを明記すべきという主張ですが、平和憲法の大幅な後退を意味します。

★私の考え方
もちろん、「平和憲法を守り、平和憲法に合わせて現状を改める」ことです。
自衛隊を軍事以外の役割(防災、救助)に戻し、それを明確にするため「防災隊、救助隊」などに改名する。
現状の戦争のための装備(戦闘機、戦艦、イージス艦、ミサイルなど)を放棄する。
日米間の軍事同盟を破棄し、軍事以外の協力関係を維持する。
憲法はもともと「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を明確にうたっているのです。
現状の日本の軍事力を容認する方向に、憲法を変える(改悪する)のはきわめて危険です。
日本はとっくに「戦争放棄」したのです。
それを忘れないようにしてください。