【環境トピックス】「第4次地球環境概況」を国連環境計画が公表 (国連環境計画)
10月25日に国連環境計画・UNEP(United Nations Environment Programme)が「第4次地球環境概況(GEO-4)」を公表した。
「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が1987年にまとめた報告書"Our Common Future"(『地球の未来を守るために』で主要な課題としてあげられた気候変動、種の絶滅、食糧問題といった問題は未解決のままで、この20年間の対策が不十分であり、現在は「人類そのものの生存が危機に瀕している」と強い警告を示す内容となっている。
主な内容は、
- 87年からの20年間で、世界の人口は50億人から67億人に増加、貿易量や一人当たりの収入も増加したが、こうした変化が地球環境の激変を引き起こしている。
- 開発途上国の人々が十分な食料を確保するために、2030年までに、日本の国土面積の3倍にあたる1億2000万ヘクタールの土地が必要になる
- 1850年以降、年平均気温がもっとも高かった11年は、最近の12年間に集中
- 1906年以降、地球の平均気温は0.74度上昇、今世紀内にさらに1.8-4度上昇するとみられる。
- 毎年、大気汚染が原因で200万人以上が死期を早めている
- 南極上空のオゾンホールは、史上最大規模を毎年記録
- 一人あたりが使える淡水は、水の汚染などで減少し、汚染された水は病気や死亡の最大要因となっている。
- 2025年に水不足となる人口は18億人に増加
- 世界の主要河川の10%は、過度のかんがい取水が原因で1年のうち一定期間、海に流れ込む前に枯渇
- 生物の多様性は減少。現在も既知の生物の1万6千種以上、脊椎(せきつい)動物のうち両生類の30%、哺乳類の23%、鳥類の12%が絶滅の危機にある。
※この報告書(英文)はUNEPのサイトでダウンロード可能です
⇒ http://www.unep.org/geo/geo4/media/