巻頭言

【巻頭言】転生と地球

今年7月、『新版 オーケストラ指揮法』を出しましたが、
いまは、『転生と地球』をリライト(改定)しています。
これは1997年に出版しましたので、大幅なリライトをしています。
書きたいことがたくさんあり、構成案がいくつもできて困っています。
現在の『転生と地球』の在庫は残りわずかなので、しばらく絶版状態になると思いますが、
できるだけ早く仕上げて出版したいと思います。(来春発刊予定。お楽しみに!)

そんな折、先日、私のふるさと松山で講演会がありました。
『転生と地球』で、交通事故のあとの不思議な体験、ふるさと巡り(巡礼の旅)をしますが、
実際に同じ場所を何度か、『地球村』の仲間と「転生ツアー」をしたことがあります。
今回も講演のあと、同じ場所を巡りました。
重信川と河原、国立愛媛病院と官舎、横河原駅舎、北吉井小学校、通学路・・・。
みんなみんな、とてもなつかしかった。
私が住んでいたのは3歳から7歳。55年前のことでした。
真っ白な記憶に最初の記憶が刻まれました。

重信川の河原に行くと、なぜか百羽のカラスがいました。
そして河原には一滴の水もありませんでした。
当時、川幅20メートル以上、水深2メートル以上、流速1メートル以上としても、
毎秒40トン以上の水量(100万人の都会を支えることのできる生活水)が
ゼロになったのだから、大変なこと。
その重大性に気づいている人がどれくらいいるのでしょう。

土手で思わず「おお!」と声を上げました。
そこには懐かしい「ひっつきむし」がありました。
草の一種ですが、種(たね)が洋服などに付くので、そう呼んでいました。
その「ひっつきむし」は、私はあちこちに行く機会が多いのですが、他では見たことのない種類です。
見たとたん、55年前を思い出し、とてもなつかしかった。
それだけでも今回の転生ツアーは価値がありました。