地球は今

【地球は今...】「たったひとつ」の・・・

アポロ17号が地球への帰還時に太陽を背にして写した、「ザ・ブルー・マーブル」といわれている「たったひとつ」の地球の写真。
今回は想像力を豊かにして、「たったひとつ」をテーマに地球の現状を見てみましょう。

割り箸

食事のときに何気なく使ったその「割り箸」。たくさんの割り箸のうちのひとつですが、「たったひとつ」の大切な存在です。
半年前には鳥や虫が飛びかうシベリアの森の中で、一本の白樺の木として立っていました。
シベリアの夏は短く、日差しを精一杯浴びて生きていました。

  • 2ヶ月前に、丸太として中国の港に積まれていました。
  • 1ヶ月前に、製材所で切断され割り箸として加工されていました。
  • 2時間前に、コンビニでお弁当を買い、その割り箸をレジで受け取りました。
  • 1時間後には、食事が終わったあなたは、割り箸をゴミ箱へ。
  • 3日後には、ごみ収集車で運ばれ、焼却場で燃やされてしまいます。

もしたくさんの割り箸を日本で消費していなければ、もしあなたが割り箸を使わなければ、今も極寒のシベリアの森で暖かい夏を夢見て生きていたかもしれません。

缶詰

スーパーなどで簡単に手に入るツナ缶。台所の片隅に置かれている「その」ツナ缶も「たったひとつ」しかない存在です。
半年前には、その“マグロ”は東シナ海で、仲間と一緒に大海原を自由に泳いでいました。

  • 3ヶ月前に、タイの工場でツナの缶詰が作られました。
  • 2ヶ月前に、日本の港へ着きました。
  • 1ヶ月前に、スーパーの特売で安く売られていました。そのひとつを買って帰りました。
  • 保存がきく缶詰は、すぐに使われることもなく、あなたの台所の片隅に置かれています。
マグロを釣るために、現地の魚(ミルクフィッシュなど)を餌として大量に消費。
⇒タイの缶詰工場で働いている人の一日の給料は400円程度。
現地では、魚(ミルクフィッシュなど)の価格が急上昇し、魚も食べられなくなりました。

※現地の人が食べることのない高級魚(マグロ)が、日本では特売されたり、ペットフードになったりしています。
一方で現地の人の生活が圧迫されているのです。

もし必要な量だけを私たちが買い求めれば、漁獲規制の必要もなくなり、海は魚の宝庫に戻るかもしれません。

お米

食堂やレストランでよくご飯の食べ残しを見かけます。「その」お米の一粒一粒は「たったひとつ」しかない、貴重な存在なのです。
今日食べ残したご飯(お米)は、山あいにある田んぼで農家の方に丹精込めて育てられ、清らかな水と太陽の光の中、豊に実っていました。

  • 今年の春に田植えをしたお米を秋に収穫。
  • 1週間前にレストランにお米が納入されました。
  • 店のメニューには美味しそうなものが並んでいてます。あなたはたくさん注文し過ぎて、ご飯を残してしまいました。
  • 1時間後にはゴミ箱へ、翌日には焼却場で燃やされてしまいます。
  • 日本で一日に廃棄している食糧は3000万人分
  • 世界では8億人以上が常に飢餓状態にあり、年間約1000万人が死亡しています。
  • 日本は、世界最大級の食糧輸入国。食糧の6~7割が輸入品です。

もし私たちがお米を棄てなければ、飢餓状態の人たちの笑顔が溢れるかもしれません。
元は生き物(命)である食料を大切にすることから、世界の飢餓貧困問題の解決につながります。

私たちの周りの全てのものは「たったひとつ」の・・・
【紙】読まれることもなく捨てられるチラシや、途中までしか書かれていないノート。
「その」チラシやノートも木としてほんの数年前までは生きていたのです。
※新聞、雑誌、書類など、日本で一年間に消費される紙は3000万トン。
1人あたり一年間に約250キロ。体重の4~5倍に近い紙(=木)を使っています。
 
【服】「流行おくれだから」「太って着られなくなったから」と捨てられた服。
「その」服の原料の綿花は、遠くカリフォルニアの畑で収穫され、運ばれてきたものです。
※衣類の廃棄量は年間200万トン。リサイクルされているものは、1割程度です。
 
【できることからはじめよう】
私たちが使っているものはすべて「たったひとつ」のもの、この世にひとつしかないのです。元は、ほとんどが生き物です。
それを簡単に捨ててしまうようになった私たちの生活は、何かおかしくありませんか?
  • お米や野菜、肉・魚はどこから来たのか、作った人や関わった人の気持ちは?
    毎日の生活でこうしたことを感じられなくなっています。
    農家の人や漁師さん、生産者の苦労をもっと身近に感じましょう。
  • 「地球」もたったひとつです。大気や水の汚染、温暖化、オゾン層の破壊。
    地球上の生物の滅亡を防ぐのは私たちです。
  • そして私たち、自分自身もたったひとつです。自分を大切に生きていますか?
    今をしっかりと生きていきましょう。