【地球は今...】消費者神話
昨年、次々に話題になった「賞味期限切れ」は、とんでもない事件のように報道されていますが、本当にそうなのでしょうか。
日本の食の常識について考えてみましょう。
賞味期限切れって売ってはいけないの? 食べられないの?
加工食品には、食品衛生法などで定められた、賞味期限または消費期限が表示されています。
消費期限は、期限が過ぎたら売ってはいけませんが、賞味期限は、「おいしさを保証できる期限」であり、製造者の責任で設定(変更)するものです。
期限が過ぎたら売ってはいけないというものではありません。
仮に製造者が賞味期限を「変更」しても、すべてが「偽装」ということではなく、「営業停止」や「謝罪会見」は他の国では考えられません。
そのことよりも、日本では間違った消費者の思い込みによって膨大な食料が捨てられていることの方が大きな問題です。
毎日1店舗平均 1万5千円分を廃棄 ⇒ 1店舗あたり年額約 500万円分の廃棄
全国のコンビニの数は約 4万3千店 ⇒ 廃棄総額は年 2150億円
- 消費期限は長くは保存がきかない食品(だいたい5日以内に食べたほうがよい食品)に表示。
開封していない状態で、表示された保存方法で保存したときに、食べても安全な期限を示しています。
(消費期限の例‥‥コンビニの弁当、豆腐、食パン、菓子パン、和菓子など) - 賞味期限は冷蔵や常温で保存がきく食品に表示。開封していない状態で、表示された保存方法で保存したときに、おいしく食べられる期限を示しています。
(賞味期限の例‥‥ハム、スナック菓子、缶詰、牛乳、納豆、卵など)
廃棄食料はリサイクルされている? 捨ててもかまわない?
- 人間が食べられるものを家畜の餌にしたり、堆肥にすることはとてもおかしなことです。
- 廃棄食料は、家畜にも健康上問題があり、実際には3%程度しか使われていません。
- 肥料についても、廃棄食料は塩分が多く、堆肥として不適で、7%しか使われていません。
1億2700万人の26% = 3300万人
毎日3300万人分の食料、金額にして年
数兆円分の食料が捨てられています。
★2001年に食品リサイクル法が施行されたが、廃棄食料はほとんど減っていません。
和食を食べると農作物の自給率も上がる?
右図の農水省サイトにある自給率によると、和食でも自給率が低いものがたくさんあります。
米以外、大半は輸入品です。輸入エネルギーを大量に消費し、地球温暖化を促進することにもつながっています。
穀物(主食)自給率 28%
カロリー 自給率 39%
環境にも配慮して自給率を上げるためには・・・
- パン食、小麦食 ⇒ 米食
- 副食(おかず)もできるだけ、国産のものを選ぶ
- 野菜も、国産物、有機野菜を選ぶ
減塩商品は体にいい?
健康志向を打ち出した減塩商品が市場に多く出回っていますが、これも安易にいいと信じないことです。
塩には、防カビ(殺菌)や色落ち防止の効果があり、減塩商品は塩を減らした分を補うために添加物が使われる場合が多いのです。
減塩で安心して食べ過ぎる傾向もあります。「健康」を宣伝しているものも、本当に良いのかどうか、まず自分で調べることです。
牛乳は体にいいの? 高脂肪牛乳はもっといいの?
高脂肪乳を出す牛には、高カロリーの飼料、とうもろこしなどを大量に食べています。その飼料はほとんどが輸入品です。
「もっと高カロリーを」と行き着いた先が肉骨粉で、BSEの問題が起こりました。
そもそも、人間の大人が、牛の母乳を飲むことは自然なことなのでしょうか。
戦後、アメリカの過剰農産物の解決策として、日本に導入された「パンと牛乳」のために、日本の食事が大きく変わりました。
アメリカの農業を守るために、日本の農業が破壊されたのです。今こそ日本食を見直し、日本の農業を復活させなければなりません。
テレビや雑誌などの情報や宣伝を信じ込み、聞きかじりの知識を正しいと思い込んでいることがたくさんあります。
- 「本当はどうか」と考えると、真実の姿が見えてきます。
- 一人ひとりが責任を持って、安全な食、人にやさしい食、地球にやさしい食を目指して、取り組んでいきましょう。