【地球は今...】子ども環境サミットin KOBE
地球の環境、未来についてのメッセージを国内外に発信しようと世界21カ国の子どもたち70名が参加して、5月21日から24日の4日間、「子ども環境サミット in KOBE」が開催されました。
『地球村』は、サミットの運営、環境問題のアドバイザースタッフとして参画しました。 (事務局:渡辺裕文、木村美代子)
●子ども環境サミットとは
5月24日から26日に開催された「G8環境大臣会合」に合わせて、環境大臣に子どもたちのメッセージを届けようと昨年より計画。
世界21カ国、70名の子どもたちが参加し、4日間の会議で6項目からなる「KOBE子ども環境メッセージ」を作成、大臣会合の場で発表しました。
●会場の様子
① 環境問題について子どもたちからの報告
5月22日・23日は参加した子どもたちが4グループに別れ、グループ毎に自分たちの国での環境被害や環境への対策など、現状を報告しました。
例えばケニアは昨年の洪水の様子、ドイツなど環境先進国からは、地域や自分たちの環境への取り組みなどが発表されました。
子どもの視点とは思えない充実したとてもレベルの高い内容でした。
② 環境子どもメッセージの採択
5月23日にはグループ毎に討議し作成したメッセージを、子どもたち全員が集まった全体会で統合、環境大臣へ届ける「KOBE 子ども環境メッセージ」を満場一致で採択しました。
このメッセージは24日にG8環境大臣会合で発表され、賞賛の大きな拍手で迎えられました。
●KOBE 子ども環境メッセージ
たった4日間で、子どもたちだけの手によって、素敵なメッセージが完成しました。
国境を越え、言葉の壁を越えて、神戸の地に集まった10代の若者たちが、地球最大の課題に真剣に取り組んだ集大成です。
【 KOBE 子ども環境メッセージ】
私たち、僕たちは、「子ども環境サミット in KOBEで」
自らの欲求を満たそうとするわたしたち(人間)の行いが、地球温暖化などたくさんの環境破壊の原因となっていることを学びました。
このまま放置するとどうなるだろう?
わたしたちは土地を求めた戦争、飢饉、自然災害の増加に直面するでしょう。
地球は適合するかもしれませんが、わたしたちにはできないかもしれない。(しかし、協力しあえばこれを変えることができます)
そこで、解決策を考えました。
今、私たち、僕たちでできることは:
・ゴミなどの問題には7R(削減:リデュース、再使用:リユース、再利用:リサイクル、断る:リフューズ、研究:リサーチ、再生:リジェネレート、見直し:リシンク)。
・エコシステムの回復(木を植えたり、川をきれいにする)。
ようするに、地球を愛することを忘れないことが大切だと思います。
でも、子ども達だけでは地球を救うことはできません
お金だけではなく、食料や衣料、マンパワーを提供するシステムを大人たちでつくってください。
十分なテクノロジーがないので地球にやさしいモノづくりをして下さい。
皆さんに質問です
あなた方が(地球に対して)したことに責任は取れるのでしょうか?
皆さんにお願いです
私たちは地球環境を守る為にあなた方の助けが必要です。
環境にやさしく持続可能な発展を導入することで地球のエコシステムのバランスを取り戻すことをお手伝いしてください。
学校で環境問題について教え、実行に移すような国際的な法律を施行して、安全な環境づくりをすすめてください。
2008年5月24日 子ども環境サミット in KOBE サミット代表者一同
【スタッフとして参加して】
・子どもたちは、自分の意見を持ち、自由に発言・提案をしました。
地球にとって何が一番大切かを、損得勘定やお金の概念を持たずに話し合う姿は、とても頼もしく新鮮でした。
・地球環境の現状についての感想の中に「ショックを受けた」、「怒りを覚えた」、「悲しい」に混ざって「guilty(罪の意識を感じる)」という言葉も多く聞かれました。
大人たちがしたことに対して、そんな感情を抱いていることにショックを受けました。
今政治を動かし、経済を担っている私たち大人が、地球の現状に対して「guilty」を感じて、問題解決に取り組まない限り、決して解決につながらないと思いました。
・メッセージをまとめるときに日本の子どもが、「もっと衝撃的で、インパクトのある言葉を使うべきだ」と発言したことに対し、欧州の子どもが、「人が飢えて亡くなっているという事実だけで十分衝撃的。
これ以上、どんな言葉が必要なの?」と、反論をしました。
「言葉や知識として知っていること」と「わかっていること」の違い、大人を含めた日本社会の現実の一面を垣間見た瞬間でした。
・子どもたちは、この4日間で普段学校では学べない『お互いを知る』という経験、国の事情や意識の違いを肌で感じ、それぞれの国に持ち帰りました。
この子ども達のメッセージから、その気持ちを精一杯汲み取り、今度は私たち大人が行動に移す番です。