【巻頭言】環境戦略十訓
★広告戦略十訓
1. もっと使わせろ
2. 捨てさせろ
3. 無駄使いさせろ
4. 季節を忘れさせろ
5. 贈り物をさせろ
6. 組み合わせで買わせろ
7. きっかけを投じろ
8. 流行遅れにさせろ
9. 気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ
これは、70年代に大手広告企業が提唱していたものです。
これが、大量消費、大量廃棄、使い捨ての社会をリードしてきたんだなあ・・・
と感慨深いものがあります。(ネットで検索すれば、誰でも簡単に見つけられます)
私が大学を卒業して、社会人になった(松下電器に入社)のが1970年。
まさに、その頃から、カラーテレビ、クーラー、電子レンジ、ビデオ、ラジカセなどが次々と
ブームになり、マイカーブーム、マイホームブーム、ゴルフブーム、土地ブームが始まりました。
当時は、土地を買っても、株を買っても、なんでも値上がりしました。
なにしろ、銀行の定期貯金の利子も6%だったのですから。
広告は、恐るべきものです。
必要の無かったものを、必要なものに変え、
使えるものを、いらないものに変え、
無意味なものを、大事なものに変え、
大事なものを、無意味なものに変え、
まるで魔法です。
戦争を望んでいる人たちと、平和を望んでいる人たちと、どちらが努力しているのでしょうか。
戦争を望んでいる人たちは戦争を起こすために、大きなお金、大きな時間をかけ、
大きな努力をしています。平和を望んでいる人たちは、どんな努力をしているのでしょう。
それと同じように、環境を破壊している企業と、環境を守ろうとしている人たちとどちらが
努力をしているのでしょうか。
企業は、広告に巨額のお金をかけ、新製品開発に巨額のお金をかけ、
販売に大きな努力をしています。
人の欲望を刺激し、新しいものを欲しくさせて、いまあるものを要らなくさせて、
他の人と比較して、負けたくないと思わせて、もっと新しいもの、もっと高いもの、
もっと、もっと・・・と際限ない欲望を煽り、まさにモア・アンド・モア教です。
こういった異常な感覚は、50年前には無かったのではないでしょうか。
映画「三丁目の夕日」でも、私の子供のころでも、
子供心に、「いいなあ、おいしそうだなあ、かっこいいなあ、ほしいなあ」
という感覚はありましたが、「うちは無理だろうなあ」とあきらめていました。
考えてみると、カブトムシが欲しい、クワガタが欲しい、大きな魚を釣りたいなど、
努力すれば手が届きそうなものには、大いに努力し、そして手に入れたものでした。
「広告戦略十訓」を逆にすると、痛快です。
環境を守ろうとする私たちは、この「環境戦略十訓」を広めましょう。
★環境戦略十訓
1. 大切に使う
2. 捨てない
3. 無駄使いしない
4. 季節を忘れない
5. 贈り物をしない
6. 単品、ばら売りで買う
7. だまされない
8. 流行を追わない
9. 気安く買わない
10.混乱に巻き込まれない