地球は今

【地球は今...】エネルギー枯渇時代を迎えて(その2)


●ドイツのエネルギー事情
 
・脱化石燃料(石油、石炭)へ
⇒CO2の排出量を1990年比で現在18%削減という成果を上げています。今後のCO2の削減目標は、2020年に40%削減、2050年に60~80%削減(1990年比)としています。
・脱原子力を推進
⇒原子力発電所は2021年までにすべて廃止する。現在すでに2ヵ所を閉鎖しています。
・自然エネルギー、再生可能エネルギーを推進
⇒電力のうち再生可能なエネルギーは14%を占め、2030年までに45%を目標に進められています。




●なぜ、ドイツはこんなにエネルギー政策が進んでいるのか?
・環境税の導入
⇒1999年に産業界の反対を押し切って環境税を導入しました。輸送用、暖房用の石油、天然ガスなどに年々税率をアップさせながら課税。この成果は、自動車燃料消費の減少、低燃料車、1リッターカー、カーシェアリング(自動車共同利用)の増加、鉄道輸送の増加など、国民の日常行動が大きく変化し、さらに目的税としたことで社会保険料の引き下げ、雇用の増大(失業率の減少)、GDPの増加につながりました。
・2000年に自然エネルギー法が成立
⇒自然エネルギーを固定価格で電力会社が買い取ることを補償する法律が成立したことで、農家などが風車を積極的に設置しました。風力発電は世界一(世界の30%を占める)、CO2総排出量の2%以上を削減しています。
・2002年に改正原子力法で原子力エネルギーの廃止へ
⇒原子力発電所は2021年までにすべて廃止する(核燃料の再処理からは2005年に撤退を完了している)。ドイツ人の4分の3が脱原発に賛成(ドイツ国内の世論調査)という意識の高さが反映されていると言えます。

※一方、日本では、
・CO2が6%増加(1990年比)し、削減の具体的な中期目標値はありません
・原子力を温暖化防止のために推進しています
・自然エネルギーを積極的に推進する法律はありません(太陽光発電への補助も打切り)
・環境税の導入は経団連などの反対により全く進んでいません


●ドイツではこんな村や街が
・ロイセンケーゲ村(人口365人、115戸)
全体で個人所有や市民会社所有の風車による発電が16万キロワットあり、風力発電だけで村の消費電力の500倍を生み出しています。

・ローデネス村(人口150人程度の農村)
市民出資の太陽光発電2000キロワットを設置し、村の電力消費の10倍以上を発電しています。

・リュウヒョウ・ダンネンベルグ郡
再生可能エネルギー100%のコミュニティを目指し、2000年1%、2004年13%、2015年には100%を目標としています。たとえば、小学校では、電力は太陽光発電、暖房は木材チップや太陽熱などを利用しています。
きっかけは1979年に高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地になったことで、その反対運動から再生可能エネルギーの普及、省エネの推進運動へ発展しました。


このようにドイツでは、「市民レベル」、「企業レベル」、「自治体レベル」、「国レベル」での様々な環境への取り組みが進んでいます。
国が情報を公開し、環境対策に対して高い目標を設定、必要な法律を整備し、市民や企業は、その法律を有効に活用して出来ることをはじめています。
地域や個人のモデルが全国的に展開していった事例もたくさんあるのです。

 


 

【できることからはじめましょう】

・エネルギー問題や資源について事実を知ろう
・省エネ、省資源、無駄を減らす努力が大切です
・買い物は、輸送エネルギーが少ない国産物、近隣地域の品物を選びましょう

≪参考・引用文献≫
「飛躍するドイツの再生可能エネルギー」和田武 世界思想社
「地球温暖化」田中優 扶桑社新書