巻頭言

【巻頭言】ことし一年は

一言でいえば、今年は世界的な景気後退、政治的混乱が続き、ヘビーな1年になるでしょう。
環境対策面は、各国の利害が対立して、なかなか前に進みません。
日本も政治的混乱、経済的混乱の年になります。

★世界的な景気の後退
アメリカのサブプライムローンに端を発した世界的な金融危機と、アメリカの自動車会社
ビッグスリーの経営危機が、世界経済の足を引っ張るでしょう。
ブッシュ大統領は「大規模な公的資金(税金)の投入」を表明していますが、
議会にも国民にも反対が多く、欧州が「自動車産業の大規模な業界再編」をしている現在、
アメリカ政府が「大規模な公的資金を投入」して自動車産業を救済することには大きな疑問があります。
今年は、世界的な金融危機と株価下落が続きます。

★環境悪化、異常気象
地球温暖化による異常気象(豪雨、熱波、干ばつ)が増え、農作物の打撃(食糧危機)、
大量の環境難民が発生します。大型の台風やハリケーン、大地震も増えるでしょう。
社会不安と経済不安、経済格差の不満が高まります。

★環境と経済のジレンマ
中国、インドなど人口大国が年率10%以上で経済拡大、二酸化炭素の排出量も
年率10%で増大しています。先進国が大幅に削減し、途上国に対して大幅な資金援助、
技術援助しない限り、世界全体の二酸化炭素の排出量を削減することはできません。
環境優先の欧州諸国と、経済優先の日本とアメリカは意見が対立しています。
日本とアメリカはいまだに「二酸化炭素の大幅削減は経済に悪影響を与える」という立場を取っています。
まさにタイタニック号で、酒盛りを続けている一等船客のような国です。

★紛争の拡大
「9.11」から始まったアメリカの「テロとの戦い」という名のテロによって世界に
紛争とテロが増大しました。
その張本人ブッシュ大統領(共和党)がオバマ大統領(民主党)に交代し、
イラク戦争は終結に向かいますが、米軍は全面撤退するのではなくアフガンへ
移動するにすぎず、戦場が変わるだけで、紛争はかえって増大するでしょう。

★日本は混乱
・政治不信、経済不安が大きくなる
・無駄なばらまきに国民の反発
・無駄な公共事業、ダム計画に地域の反発
・麻生政権の理念なき政治、アメリカ追従に国民の反発
・麻生政権の支持率、自民党の支持率が低下
・解散総選挙の結果、政権交代が実現
・社会がいい方向に向かうかどうかは、市民の意識しだい。
・市民が目先の景気回復を求める限り、政権が代わっても社会は変わらない。

★未来のビジョン
・国としてめざす方向(ビジョン)を明確にする
「安心して暮らせる国、食料自給、資源自給、エネルギー自給、環境重視」
・食料など生存に不可欠な資源(basic needs)の自給自足をめざす
・巨大開発を大幅カット(ダム、自動車道路、空港、埋め立てなど中止)
・公共交通の整備(脱自動車社会へ)
・公共事業費の大幅カット
・公共事業費と社会保障費の比率の逆転  3:1 ⇒ 1:3
⇒医療、福祉、老後は大幅に改善する。消費税を上げる必要はなくなる。
・道路特定財源を一般財源化し、環境保全、食料自給率回復に回す。
・自動車優先社会 ⇒ 公共交通を整備し、二酸化炭素を削減する
・中央集権 ⇒ 地方の自立へ ⇒ 道州制
・国家予算の二重帳簿をやめる
日本の国家予算には、公開されている一般会計(80兆円)と別に、
公開されていない特別会計(200兆円)があります。
特別会計が無駄な公共事業や、天下り行政法人の無駄な事業の温床になり、
土建政治を支えてきました。日本独特の二重帳簿をやめ、国家予算を一本化し、
国民に見えるようにすることです。

★私たちに必要なこと
・政治や経済に関心をもとう
・おかしいことに疑問を持とう
・いろんなことに関心を持とう
・「幸せってなんだろう」
・「何のために生きるんだろう」
・「自分の一生の目的は」
・「子供たちにどんな未来を残すのか」 を意識しよう。