【地球は今...】5分でわかる日本の借金
日本は世界一の借金大国と言われています。国債の発行残高だけで680兆円、日本の税収(54兆円)の13年分もの借金があります。
しかし、日本の借金は国債だけではありません。日本の借金の現状と国が破綻するときについて一緒に考えてみましょう。 『地球村』事務局
⇒ 歳入内訳グラフ 単位:億円
(財務省HPより)
日本の国家予算(一般会計)は83兆円。このうち税金収入は54兆円です。
残りは国有財産の使用料や売却などによる4兆円と国債の発行25兆円となっています。
つまり54万円の収入しかない家庭が、借金と資産売却などで83万円の生活をしていることになります。
※問題になっている特別会計を含めた214兆円の収入は、不透明な状態でしか公表されていません。
●日本の借金の残高は
日本の借金は、国債だけでなく、地方自治体が発行している地方債、日銀からなどの政府借入金があり、その総額は約1000兆円と言われています。
私たち国民一人ひとりに約800万円もの借金があることになります。
さらに、独立行政法人や特殊法人などが持っている債務が400兆円(2003年)と言われています。
【日本の借金】
国債 683兆円
地方債 163兆円
政府借入金、短期証券
163兆円
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合計 1009兆円
日本のGDPの2~3倍になっている借金を返済するため、下記のような可能性もあります。
①消費税を上げて税収を増やす。
②鎌倉幕府の「徳政令」のように、借金をすべてなかったことにする。
③政府が1000兆円のお金(紙幣)を発行する。
※②や③では、日本の「円」の国外での価値は全くなくなってしまいます。
●国家破産の実例
国家破産について幾つかの例をみてみましょう。
〔1〕トルコ(1970年から2005年)
・原因 : 政府の財政赤字、政治家と官僚の腐敗・利権
・トルコ政府の 歳入4兆2000億円、 歳出5兆8000億円
・1970年から2000年にかけて12万倍のハイパーインフレ。30年前の1億2000万円が現在の100円の価値に
・2005年に100万トルコリラ(TL)を1新トルコリラ(YTL)へのデノミを実施
〔2〕アルゼンチン(1991年から2002年)
・原因 : 国の借金17兆円で破産状態になり、先進国からのODAなどの借金が返せない状況になった
・年率300~500%のハイパーインフレが起きた
・2001年に預金封鎖によって国民の全預金を封鎖。国民の暴動により大統領が辞任、逃亡
・国債の債務不履行により、通貨が暴落し国民の財産が消滅
〔3〕ロシア(1991年から1999年)
・1990~91年のソ連崩壊に伴って、1991~1993年に年7000%(7000円が翌年に100円の価値に)のハイパーインフレとルーブルの暴落
海外にお金を待避させていた一部富裕層のみ影響を受けなかった
・1994年デノミを強行(通貨価値を1000分の1に)し、国民の財産が消失(預金なども1000分の1に)
・1998年(ロシア危機)、ロシア国債の債務不履行、銀行封鎖、貸金庫など財産の没収
●実は過去に日本も破産している
・1945年の敗戦に伴い、国が多大な借金のため国家破産
・新円への通貨切り替えにより、持ち金に制限(100円が限度)
・戦前の通貨は使用不能に、財産に課税(富裕税など)し、財産を没収
●もし今日本が破産したら(米国政府ネバダレポートより)
2002年に衆議院予算委員会で取り上げられたアメリカ政府発行の「ネバダレポート」に、日本がもし財政破綻し、IMF(国際通貨基金)の管理下におかれた場合、下記の8項目の改革が行われると予測しています。
(1)公務員の総数、給料は30%以上カット、及びボーナスは全てカット
(2)公務員の退職金は100%全てカット
(3)年金は一律30%カット
(4)国債の利払いは5~10年停止
(5)消費税は20%に引き上げる
(6)年収100万円以上から徴税
(7)資産税を導入し、不動産には公示価格の5%を課税、債券・社債は5~15%の課税、株式は取得金額の1%を課税
(8)預金は一律1000万円以上はペイオフし、預金額の30~40%を財産税として没収
【結論】
ネバダレポートが現実のものになるかどうかはわかりませんが、今の日本が直面している財政状況はそれほど危機的な状況です。
私たちのこれからの政治の選択に、私たちの子どもや孫たちが生きていく、日本という国の未来がかかっているのです。