巻頭言

【巻頭言】新刊を出版しました

★1年ぶりに新刊を出します。
タイトルは、「コーチング・ワークショップ」です。
実際のコーチングのワークショップ(一泊二日のワークショップ)を、
読む人にも体験できる本をめざしました。
ワークショップは定員30名ほどです。
参加者には大きなショックと感動、気付きと変化があります。
この本で何千人、何万人の方にワークショップを体験してもらえれば、
どんなに素晴らしいだろう、という願いで書きました。
「コーチング」は、新しいコミュニケーションでもあり、生き方発見です。

★これまでの教育とは
従来の教育は、「親が子供を教育する」「大人が子供を教育する」「教師が生徒を教育する」
「会社が社員を教育する」「先輩が後輩を教育する」というものでした。

一見当たり前のようですが、学校教育、社会教育、社員教育、宗教教育、
国家教育という言葉を考えてみてください。
「○○教育」の名前の通り、教育の目的は、教える側の価値観、ルールを押し付けることです。
こうした教育には多くの問題があります。

・画一的な教育は、個性、多様性を失わせる
・評価や比較競争により、格差が広がる
・その結果、敗者は自信を失い、逃避、引きこもり、自殺、犯罪など
・権力や利権を握る人たちは、変化を恐れる。問題解決できない。軌道修正できない

★「コーチング」とは
特にスポーツやオリンピックでは、従来の教育では対応できなくなってきたのです。
そこで、一人ひとりの自主性や気付きを尊重して、個性や可能性を引き出そうという
新たな方法として「コーチング」が生み出されました。
大きな効果を上げ、多くの分野で注目され応用されるようになりました。

★多くの分野で
教育の分野では、不登校、引きこもりなどの問題が多発していますが、
大人の社会でも多くの問題が起こっています。
経済環境、社会環境が厳しくなり、過大なノルマ、一方的な押し付け、
個性や多様性を認めない、自由がない、余裕がない、本音が言えない状況から、
個性が奪われる、自分を見失う、自信喪失、自己嫌悪、逃避行動
(引きこもり、自殺、犯罪)などが多発しています。
これは日本の社会だけではなく、国際的にも、先進国では同じ状況が起こっています。
また地球環境という大きな問題も、本質的には同じ問題だと思われます。
そこで、多くの分野で、「コーチング」が注目され、応用されるようになってきたのです。

★私の気づき、私の体験
1981年、私が交通事故で長い入院中に、
「自分は何のために生まれてきたのだろう」
「自分の生きる役割は何なのだろう」
「どう生きていけばいいのだろう」などの問題を自問していました。
その中で、不思議な「自分との対話」を発見しました。
「もう一人の自分」が現われて、「なぜ?」「どうして?」と問いかけてくるのです。
尋問でもなく、詰問でもなく、質問責めでもなく、ただ「どうして?」「どう思う?」と
聞いてくるのです。それだけで、驚くような気付きや知恵が発見できるのです。
このことを、1990年代に、『転生と地球』や『オーケストラ指揮法』などに書き、
その後、『非対立の生きかた』や『選択可能な未来』などでも紹介しました。
自分なりに、この方法をMMとして紹介しましたので、『地球村』の仲間にはよく知られていると思います。

★単なる手法ではありません
MMは、単なる方法ではありません。生き方につながる重要なものです。
人は、悩みや迷いを持っていますが、その答えは自分の中にあります。
自分の中に答えがあるのに、それがわからないというおかしな状態なのです。
それは、答えを隠しているカバーがあるからです。
カバーをかけて答えを隠しているのも自分です。カバーを外せば、答えが発見できるのです。
だから、発見のことを英語で「ディスカバー」(カバーを外す)と言うのです。
「コーチング」は、私が見つけたMMと全く同じだと思います。
自分や周りの人を気付かせることができます。
単なる方法ではなく、生き方につながります。

私は、このことを多くの人に知ってもらい、周りにも大きな変化を起こしてもらいたいと思います。
そういう思いを込めて、この本には、「コーチング」の方法や技術だけではなく、
より重要な問題(現状の問題点、未来のビジョン、価値観、意識の問題)も書きました。
この本が、多くの方に読んでいただけますよう、よろしくお願いします。