巻頭言

【巻頭言】預貯金だいじょうぶ?

預貯金というのは「お金を預ける、お金を貯える」と書きますが、実際はそうではありません。
その実態を知っておいた方がいいでしょう。

銀行や郵便局は、あなたのお金を金庫にしまって預かってくれているのではありません。
もしそうなら、あなたは預かり費用を支払わなければなりません。
実際には、銀行や郵便局は、あなたのお金を投資して、利益があれば、職員の給料を払ったり、あなたに利子を払ったりできますが、投資がうまくいかなければどうなるでしょう。
投資がうまくいかなければ、投資したお金は減ったり、無くなったりします。
そうなると、職員の給料が払えなくなり、あなたのお金は利子が払えなくなるだけではなく、あなたのお金(元本)も返せなくなります。そして銀行や郵便局は破産、倒産します。

保険会社も同じです。
生命保険会社は、誰かが死ぬまでお金を預かっている訳ではありません。
火災保険会社は、火事になるまでお金を預かっている訳ではありません。
傷害保険会社も、けがをするまでお金を預かっている訳ではありません。
がん保険会社も、がんになるまでお金を預かっている訳ではありません。
保険会社も投資会社です。投資をしてお金を稼がないといけないのです。
投資がうまくいけば、約束通り、何かがあれば保険金がおりますが、投資がうまくいかなければ保険金はおりないのです。
保険会社も、銀行や郵便局と同じなのです。

株や証券の場合は、客が自分で銘柄を選ぶのですから、損得も破産も自分の責任ですが、銀行、郵便局、保険会社の場合は、客は自分のお金が投資されていることすら知らないし、何に投資されているかも知らされないのです。
それは大きな問題ではないでしょうか。

銀行も郵便局も保険会社も、あなたのお金を「預かっている」わけでもなく、「貯めている」わけでもありません。担保もありません。
国や地方や民間企業に融資したり、投資したりしているのです。
(国債、公債、公共事業債、企業融資)
そして、その多くが「国の赤字」「企業の倒産」として、返ってくる当てのない「不良債権」になっているのです。

日本経済が成長していた時代は、個々の融資や投資は大損も破産もあったにせよ、トータルとして利益が上がっていました。しかしここ10年、日本経済は、実質成長はしていないので、多くの銀行は大きな損害(不良債権)を抱えています。

これまでは、経済成長を前提として、全てが組み立てられていたのですが、現在のように経済が飽和し、地球環境などの点からマイナス成長にしなければならない状況になると、これまでの前提が崩れるのです。銀行、郵便局、保険だけではなく、年金までも、かけたお金すら戻らないということが現実のものになるのです。

こんな時代、何に投資しても、利益を生む可能性は少ないのですが、国や地方は、「景気刺激策」として、1990年以降、毎年50兆円もの赤字国債を発行して、巨大な公共事業(無駄な道路、無駄な空港、無駄なダムなどの建設)を続けてきたのです。
※国家予算や経済の仕組みについて調べてみてください。衝撃を受けると思います。
「日本人が知らない恐るべき真実」(安部芳裕著)がわかりやすいと思います。

その結果、
★国の赤字は1000兆円(国債、公債、地方債、公共事業債など)
★私たちの預貯金や年金(銀行、郵便局、保険会社など)は1400兆円
★つまり、私たちのお金1400兆円のうち1000兆円がすでに赤字(不良債権)
★残高は400兆円(70%は使い込まれた)
★今年は、さらに赤字44兆円(プラス補正予算)で巨額のばらまき予定

1.新車を買った人には最大25万円の補助金を出す(CO2削減に逆行)
2.自動車道路の建設、高速道路の料金を安くする(CO2削減に逆行)
3.定額給付金
※これらは、すべて私たちのお金(400兆円の一部)なのです。
※財政出動、公的資金も、すべて私たちのお金なのです。

以上のことがわかると、自分としてどうすればいいか、見えてくると思います。

★預貯金、保険金はそのままでいいのでしょうか
★自分の責任で保管、運用、投資すること
★例えば、家庭菜園を始める。休耕田を買う
★気ごころの知れた仲間と信頼のネットワーク(コミュニティ)を作る
★植林、自然エネルギーなど未来に投資する
★環境などみんなに喜ばれるものに投資する
★「未来バンク」、「APバンク」、などNPOバンクについて調べてみること