巻頭言

【巻頭言】終戦記念日に思う

昭和20年8月 6日、広島に原爆投下。死者14万人以上。
昭和20年8月 9日、長崎に原爆投下。死者 7万人以上。
昭和20年8月15日、日本は無条件降伏、終戦。
この戦争で兵士230万人、市民80万人、合計310万人が犠牲となった。

私の父は、軍医として南洋に出征する予定でしたが、鹿児島から出港直前に、肺結核になり乗船できずに入院。その戦艦は南洋で撃沈され、全員(三千名)死亡。
母は、そのニュースを聞いて悲しみに暮れていたところに、父から「無事だ」との一報が入り、「夢のようだった!」と・・・。
もしそれがなかったら私は存在していなかったのです。

母もまた、グラマン戦闘機に追いかけられ、何度も接近して至近距離から撃たれ、その時、操縦士の顔が見えたそうです。
機銃掃射はすごい威力で、弾丸が命中した電柱や木は倒れたそうです。
当時の人たちは、みんな命からがら生き延びたのです。

テレビで多くの戦争特集、追悼特集がありました。
その中で、高齢の元兵士の証言がありました。
「死ぬことはわかっていた。日本が負けるのはわかっていた。
それでも命令が出たら行かねばならなかった。
うちの村から60人の若者が出征し、ほとんど帰って来なかった。
私は生還したが、それ以来、他所には行かなかった。
多くの仲間が死んだのに、私だけが遊ぶことはできなかった。
つらいつらい思いをした。戦争は絶対にしてはいかん。
誰でもわかることだ。なのに、今また戦争に向かっている。愚かなこと。なぜわからん・・・」
朴とつな語り、素朴な言葉でしたが、心を打つ尊い言葉でした。
番組の最後に、「この方は、番組の収録後、亡くなりました」と解説があり、番組のゲストは口を揃えて、「偉大な思想だ。言葉もない・・・」と語りました。

戦後、64年。戦後を引きずってきた長期政権が交代するでしょう。
(きょうは8月15日。選挙結果は未定)
いまこそ、私たちは、二度と戦争への道を歩まないと決意し、「不戦」を誓わなければならないのではないでしょうか。