巻頭言

【巻頭言】スポーツクラブにて

自宅のすぐ近くにスポーツクラブがあるので、最近、ちょっと通っています。
行ける日は週に2、3日だから、まだ10回くらいです。

★ジョギング
ランニングマシンは、機械に走らされている感じが面白くないので、室内トラック(120メートル)で走っています。はじめは、ほんの少し走っただけでしんどかったのですが、だんだんと距離が延びてきました。「しんどい」ということに気持ちが向くとよけいしんどいので、気をそらすために、毎回テーマを決めて考え事をしています。無念無想の境地からは程遠いです。

★自転車マシン
ペダルの負荷はいろんなバリエーションがあるのですが、いまのところ一定の負荷(レベル5、6)で時速20キロくらいでペダルを踏んでいます。30分で10キロメートル走り、1回で約250キロカロリーを消費します。

その他、筋トレ、プール、風呂(サウナ)など。以上のコースで、1回3時間くらいです。
たくさん汗をかくので1か月で体重が2、3キロ減りました。ところで、私の1回の消費カロリー(1000キロカロリー)を電力換算すると約1キロワットですから、毎日なら月30キロワット発電できます。これは家庭の消費電力(ひと月平均300キロワット)の1割に相当します。
私の子どもの頃(昭和20年代)は月15キロワットでしたから、それくらいなら発電所がなくても自分で発電できそうですね。それが60年で20倍に増えたのです。


石川英輔さんの「江戸時代はエコ時代」には、次のように書かれています。

・江戸時代は、農耕や建設やあらゆる労働すべて合わせても一日1000キロカロリー。
・そのほとんどは人力。牛馬の利用は1割程度。
・風呂や煮炊きなどの薪炭は、自然の循環の範囲内だから実質消費はゼロ。
・しかし現代人は、毎日石油10リットル(10万キロカロリー)で江戸時代の100倍。
・現代人は、資源はほとんど循環せず、消費する一方。
・それでも幸せの実感は乏しく、格差が広がり、心を病む人が多い。

「日本人1億人が毎日1キロワット発電すれば、電力需要の1割が発電できるし、さらに電力のありがたさを実感して消費は半減するかもしれない。これは一石二鳥ではないだろうか」と、ジョギングしながら、ペダルを踏みながら、現代の矛盾を考えるのでした。