巻頭言

【巻頭言】生物多様性条約会議-COP10

この10月に日本で、生物の多様性(生物の生態環境、生物種の保存など)を守ろうという重要な国際会議、「生物多様性条約会議」(COP10)が開催されます。生物多様性条約とは、湿地保全の「ラムサール条約」、野生生物取引の「ワシントン条約」、屋久島などの自然環境保護の「世界遺産条約」など、非常に広範囲のものです。
2年に1回行われる会議で、今年は日本(名古屋)で開催され、193の国と地域が参加する大規模なものです。そのポイントを説明します。

これまでの目標「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させること」が達成不可能だったため、今回の最も重要な議題は、「今後10年間の生物多様性保全目標(ポスト2010年目標)」を決めることです。
NGO側から、「2020年までに生物多様性の損失を止める。2050年までに生物多様性を回復する」という目標が提案され、欧州など環境先進国の賛同を得ていますが、議長国日本は、「2050年までに生物多様性の損失を止める。2020年までに生物多様性への悪影響を減少させる手法を構築する」という大きく後退した提案をしようとしています。またしても京都議定書の時と同じか・・・とがっかりしています。

もう一つ、重要な話題として、「途上国にある遺伝資源の保護」があります。
これは、先進国の製薬会社、種子会社などが、アマゾンの熱帯林など途上国の遺伝資源を使って利益を上げる一方、途上国は自然環境が破壊され何の利益も得られないため、法的拘束力のある枠組みを作ろうというものです。これ以外にも、海洋の乱獲や乱開発を制限する「海洋保護区の制定」や、温暖化防止と関連して「バイオ燃料の政策フレームワークの制定」など、広範囲なテーマの会議があります。
これまで、つねに先進国の利益を優先して、条約は骨抜きにされてきました。
大切なのは、経済的な利益ではなく、人間を含むすべての生物の多様性と自然環境の保護なのです。

その大きな原因は、
国家や企業が利益追求を続け、
市民が関心を持たず、その利益ばかりを享受し続けていることです。

大切なのは、私たちが
関心を持つこと 
行動することです。

その一つとして、COP10が行われる名古屋会場に行き、イベントに参加する。
生物多様性やCOP10についての報道に関心を持つこと。
自分の意見を述べること。できることから始めること。
『地球村』としても、できるだけ情報をお知らせします。