環境トピックス

【環境トピックス】国交省 治水計画を正当化(10月24日毎日新聞ほか)

国土交通省が川の治水計画の妥当性を検証する際、流域の保水力を示す飽和雨量の値を洪水ごとに実際の流量に合うように、つじつま合わせをしていたことが毎日新聞の調査で分かった。飽和雨量とは、土地が雨量の累計で飽和し、以後降った雨が一定の割合で下流に流れ出す雨量で、保水力を示す指標とされる。国交省は、森林が成長しても保水力は変わらないと述べてきた。しかし、国交省近畿地方整備局は、計画策定時の飽和雨量を使うと近年の洪水の流量とかけ離れた値が出るため、飽和雨量を実際の洪水の流量に合わせ、計算流量と実際の流量が一致することを示し、治水計画を正当化することが通例だったと証言している。また、民主党政権下で、ダム建設事業の再検証が動き出したが、見直しが進んでいないものも多く、山形県の最上小国川ダムについても、ダムありきの数字を用いて計画を強行しようとしている。
一方、1987年に開始され、利根川など6水系で6943億円が投入されたスーパー堤防事業は、地元住民の反対などで計画の5.8%しか整備が進まず、このままでは完成は400年後で、総事業費は12兆円に膨れ上がることから、政府の行政刷新会議により廃止となった。

民主党政権になって、今まで隠していた計算の根拠などが公表され始めました。今まで公表すらなかったことを考えれば、こうした情報の公開は大きな進歩と言えます。これから私たちもさらに関心を持つことが大切です。(『地球村』事務局)