【環境トピックス】観測史上最大規模のラニーニャ現象(WMOほか)
世界気象機関(WMO)は、2010年夏以降活発化している、南米ペルー沖の海面水温が低くなるラニーニャ現象が、観測史上最大規模であると発表した。今後1~2カ月間は勢力を保ち、最長で5月初めまで続くと予測した。今回のラニーニャ現象では、ペルー沖の海面水温が平年より1.5℃低く、太平洋赤道海域の温水域が変化し、世界規模で大気の対流活動に影響を与えたことで、各地の異常気象の原因となった。2010年7月にはパキスタンで洪水を発生させ、死傷者は3800人以上、被災者は1700万人となった。ロシアでは干ばつを引き起こし、穀物が輸出禁止になるほど農業生産に大打撃を与えた。2010年4月までは、ペルー沖の海面水温が逆に高くなるエルニーニョ現象が観測されている。WMOは、2つの現象が頻繁に観測されたり、活発になる背景には地球温暖化が関係していると推測している。