【環境トピックス】穀物価格3割上昇予測(農水省)
農水省は2020年の世界の食料需給見通しを発表し、米や小麦などの穀物消費量が2020年までに約23%増え、価格は約3割上昇するという予測を示した。世界の穀物消費量は1996年には17億トンだったが、2008年には22億トンに増加した。さらに人口増加や中国などの経済成長により、穀物消費量は2020年に27億トンに増えるが、生産量は26.5億トンにとどまることが予測されている。地域別では、アジア、アフリカ、中東で穀物需要が大幅に増加し、特に中国は所得水準の向上で肉類の消費が増えるため、穀物消費量が急増することになる。また、穀物価格も上昇傾向が続き、米、小麦、トウモロコシの2020年の価格は2008年に比べて、それぞれ31%、24%、35%上昇すると予測されている。
食料全体の平均価格を指数化した食料価格指数は、2010年12月に過去最高値を記録して以来、記録を更新し続けています。一方、ロシアで干ばつ、オーストラリアで大洪水など、最近は異常気象が多発しています。今後も頻繁に異常気象が起きると、食料価格の高騰にさらに拍車をかけることになって、食糧危機は現実のものになります。(『地球村』事務局) |