【環境トピックス】海水温上昇により近海の魚に異変(水産庁,気象庁ほか)
暖海系のサワラなど1970年頃には日本海で見られなかった魚が、現在では32種確認されていることが水産総合研究センターなどの調査で分かった。サワラは主に東シナ海や瀬戸内海で漁獲されてきたが、1999年以降は日本海で急激に増えている。魚には、種類ごとに生息域があり、最近30年間で暖海系の魚の生息域が300km近く北上したことが明らかになった。日本近海の海水温の年平均値は、過去100年ですでに0.7~1.7℃上昇した。これは、海水温の世界平均値の上昇率と比べて1.4~3.4倍にあたる。気象庁は、IPCCの温暖化予測を使って将来の海水温を試算した。その試算によると、今世紀末のCO2濃度が現在の2倍弱になった場合、海水温は過去100年の約2倍のペースで上昇する。水産総合研究センターはその予測を基に、生態系の変化によって小さくなる魚や、日本近海から姿を消す魚が出てくる可能性があると結論付けている。
地球温暖化は海水温の上昇や海流の変化を引き起こすと考えられていて、サンゴの白化現象や、南方系の海藻の分布を拡大させています。こうした海洋環境の変化は生態系に影響を与え、漁獲量の減少を招くため、私たちの食生活にも大きな影響を及ぼします。(『地球村』事務局) |