巻頭言

【巻頭言】あしたへの希望

3月11日(金)午後2時46分、観測史上日本最大の巨大地震が東北を襲った。
町は壊滅、インフラは寸断、放射能の恐怖・・・
死者 数千人 安否不明 数万人・・・
『地球村』事務局のスタッフは現在、24時間体制でがんばっています。
情報収集、情報発信、会員の安否確認、他団体との支援協力・・・
その間にも次々入ってくるバッドニュース・・・
(1号炉爆発、3号炉爆発、2号炉爆発、4号炉炎上、5、6号炉温度上昇)


しかし、私は「ピンチはチャンス」という言葉をかみしめています。
大きなピンチに陥った時、あきらめればそれまで。
あきらめなければ、明るい未来がやってくる。


『激しい揺れで目が覚めた。「家がこわれる!」と覚悟するほどの激震。
テレビが床に転落、部屋は散乱、家族はお互いの無事を喜び合う。
死者6000人以上、倒壊10万棟以上、被災者30万人以上、
未曾有の大惨事、復旧には何年もかかるだろう。』



これは、16年前の阪神大震災の時の『地球村通信』の巻頭言です。
あれほどの大惨事を、神戸は数年で乗り越えました。
そして以前よりも安全な、機能的な、元気な町に生まれ変わりました。



神戸の人たちは、心を一つにすることの素晴らしさを学びました。
日本中の多くの人は、ボランティアの大切さと楽しさを学びました。
みんなが、「大きな不幸をきっかけとして、大きな幸せにつなげることができる」
ことを知りました。


私は、いま大きな悲しみの中で、明るい未来をイメージしています。
その未来の社会について、書いてみます。
どうぞ、あなたもイメージしてみてください。
そして、夢を語り、その実現に向けて歩き始めましょう。



●原発のない社会


日本の原子力発電は電力の30%です。つまり、電力を30%減らせば原発はいらなくなります。30%削減は可能です。方法はいろいろあります。

 


★仕組みを変える!

・家庭は電力消費が増えれば単価が高くなるが、企業は逆に安くなる、という日本の電力価格の問題点を改める
・ピーク電流(真夏の昼間)の電気代を高くする(フランスで成功)
・大規模発電から小規模発電(市民発電)を優先する
・電力の自由化(日本は、電力事業は電力会社の独占、地域独占)
・東日本、西日本の周波数(50Hz、60Hz)を合わせる



★みんなで動こう!

①ダウンアンペア作戦…ブレーカーの許容アンペアを下げる
②ラブレター作戦…企業やお店に「○○はなくてもいいですよ」と、24時間営業な
どの過剰に電力を消費するサービスがなくてもよいことを伝える
③ドンマイ作戦…電力会社に「電気が足りなくて停電しても構いません」と伝える
④WEB版環境家計簿(ストッコ)をつける(https://www.stop-ondanka.com



●田園社会(地球村)


★市民農園(クラインガルテン)

・家族で土に触れ、野菜や果物を作る農的生活はとても健康的
・市民が食糧の自給自足に取り組むのは、国の安全につながる



★市民発電(小水力、太陽熱、風力)を推進

・市民発電を、売電と同額か2倍で企業が買い取ることで、原発による電力(30%)を市民発電でカバーする(ドイツで成功)
 

 

★里山、自然公園、ビオトープ

・生活の中に自然を取り入れ、生き物と共存する町づくり
・自然から学ぶ(フリースクール、子供たちの遊び場)


阪神大震災よりもはるかに大きい今回の経験を転機として、
意識が変わること、社会が変わること、未来が変わることを、
強く強く、はっきりとイメージしましょう!
はっきりとしたイメージは周りに伝わります!
安心できる社会エコビレッジ(地球村)を実現しましょう!