行き先が見通せない原発のゴミ
福島第一原発の事故により生じた膨大な放射性廃棄物は、処分の目途が立っていません。水素爆発で敷地に飛び散ったがれきはいまだに取り除けず、原子炉への注水により放射能汚染水がたまり続けていて、メルトダウンした核燃料を処分する方法も決まっていません。福島第一原発が抱える放射性廃棄物の現状についてまとめました。(6月6日 朝日新聞)
(1)がれき
・3号機建屋の近くで毎時950ミリシーベルトの放射線を発するがれきを発見
・大型トラックの荷台ほどの大きさのコンテナ(4立方メートル)にがれきを詰めて保管。
コンテナは279個で、コンテナの行き先の見通しは全く立っていない。
⇒放射能に汚染されたがれきは増え続けている
(2)汚染水
・高濃度の放射能汚染水は約11万トン
・圧力容器、格納容器の破損により汚染水は漏れている
・原子炉と使用済核燃料を冷却するために1日500トン注水している
・高濃度の放射能汚染水を貯める集中廃棄物処理施設もほぼ満杯
⇒増える一方の汚染水
(3)核燃料
・核燃料の取り出しには5~10年かかる見通し
・1~6号機の原子炉には2808体の核燃料
・1~6号機の使用済核燃料のプールには5042体の核燃料
・使用済核燃料を受け入れる六ヶ所村の再処理工場にも空き容量がない
⇒行き場のない核燃料