【地球は今...】大阪の小水力発電を見学して
原発事故以来、自然エネルギーが注目されるようになってきましたが、発電機の価格も発電単価も高い太陽光発電や風力発電ばかりで、発電機の価格も発電単価も安い小水力発電はほとんど取り上げられていません。
そこで、すでに実用化されている3ヶ所の小水力発電所を高木代表といっしょに見学してきました。
●小水力発電とは?
日本では1000キロワット(毎時)以下のものが小水力発電に分類されており、次のような特徴から有望視されています。
・環境配慮型である(既存の水路などに設
置し、使われていないエネルギーを活用)
・発電機の価格も発電単価も安い
・太陽光や風力は発電量が不安定で発電時
間も短い(年間20%程度)のに対して、
24時間発電でき発電量も安定している
・山や川が多い日本では設置可能な場所が
多い
●大阪の小水力発電
大阪市、堺市、豊中市の配水場に設置されている小水力発電を見学しました。
【大阪市】
大阪市長居公園の地下にある配水場に流入する残存水圧を利用した水力発電機。
毎日24時間発電を行うことができており、年間の発電量は約200万キロワット時(約500軒の家庭の消費電力に相当)、配水場の電力の25%をまかなう量の発電(年間3000万円相当)を行っている。
・出力、発電量 :253KW、年間約200万KWh
・運転開始 :2004年
・設置費用など :建設費1.5億円
維持管理費 年100万円
・水車形式 :フランシス水車(日立)
※約7年で元が取れる。
【堺市】
堺市桃山台配水場に流れこむ水圧を利用した水力発電機。
現在、年間約66万KWh(180軒分の家庭使用量、年間780万円相当)の発電を行っており、揚水ポンプを使用するときには3分の2を自給、ポンプ停止時にはほぼ全量を関電に売電している。
8年で設置費用が償却出来る見込みになっている。
堺市内の他の2ヶ所の配水場でも設置することを検討している。
・出力、発電量 :82KW、年間66万KWh
・運転開始 :2007年
・設置費用など : 建設費6500万円
維持管理費 年100万円
・水車形式 :インライン型水車(クボタ)
※約8年で元が取れる。
【豊中市】
豊中市服部緑地公園そばにある寺内配水池に千里浄水場から流れこむ水圧を利用した水力発電。
現在、年間100万KWh(280軒分の家庭使用量に相当)の発電を行っている。
残念なことに、関西電力の子会社が豊中市水道局の場所を借りて設置・所有しているため、発電量(推定2000万円)だが、豊中市に入る収入は水と敷地の使用料(年35万円)だけになっている。
・出力、発電量 :129KW、年間100万KWh
・運転開始 :2007年
・設置費用など :建設費1億円
・水車形式 :ポンプ逆転水車(酉島製作所)
【3つの小水力発電を見て】
発電機は小型なので水量がある場所ならどこでも設置・運用できることがわかりました。
大阪市、堺市の水道局の方は、安定度やトラブルの少なさ、コストパフォーマンス(7,8年で投資が回収できる)などを誇らしげに語っておられました。
家庭用の小水力発電機も開発されていますので、今後、川や上水道、農業用水路やビルの循環水、工業用水など日本の様々な場所にどんどん広がる可能性があることを実感しました。
『地球村』としても普及・推進したいと思います。
●私たちにできること
・地元の小水力発電の見学をしよう
・自分の住んでいる市町村(役所、市町村長、議員)に設置を働きかけよう
・自分の家庭や職場などでグリーン電力契約をしよう
※グリーン電力契約は、自然エネルギーの施設が増えることにつながります
・原発国民投票を実現させよう!自然エネルギーか原発かの方向性を私たちが
決めるために!