巻頭言

【巻頭言】「脱原発」が危ない

「脱原発」の菅総理が辞任し、予想しなかった人が総理になり、与野党に配慮、党内派閥に配慮した、私もコメントできない新政権がスタートした。

菅総理がまいた「脱原発」の種を、誰が育て、誰が芽を摘むのか。

「脱原発」と「巻き返し」の動きが活発になってきた。

★早々に「死の町発言」で鉢呂氏辞任

 表向きは「失言による辞任」だが、真相は「脱原発の大臣が切られた」ということのようだ。

これまで、省庁にとって都合の悪い大臣は、スキャンダルやねつ造事件で辞任させられてきたが、「脱原発」の鉢呂さんは経産省にとって最も都合の悪い大臣だった。

彼は就任後のあいさつで「国内原発は将来ゼロに」「原発の新設否定」など、思い切った「脱原発」を語った。また、原子力政策を左右する総合資源エネルギー調査会(現状は推進派が圧倒的多数)を「推進派、反対派、半々の人選」にする異例の人事を発表する矢先だった。

今回の辞任劇を演出したのは、原発の利権を守る「原子力村」の一翼を担うマスコミだった。

彼は、「はめられた」と無念さを隠さなかった。

彼は、後任の枝野大臣に、「推進派、反対派、半々の人選」を引き継いだと述べた。枝野大臣も就任のあいさつで、「東電の損害賠償責任」について踏み込んだ考えを示したが、経産省、電力業界の強い抵抗が予想される。

★他にも続々と巻き返しが!

この首相交代に時を合わせて、原子力村の巻き返しが始まっている。

  • 「レベル7発表翌日に原発交付金を増額(経済産業省)」(14ページに詳細)
  • 「原子力施設周辺の活断層の見直しをしない(8月 電力各社)」
  • 「原子力広報アニメ制作(9月 佐賀県玄海町=玄海原発立地自治体)」
  • 「『展望なき脱原発と決別を』と社説を掲載(9月7日 読売新聞 朝刊)」

★「脱原発」に市民の声を結集しよう!

菅さんの辞任後、経産省、電力業界の「脱原発」の巻き返しが盛んになってきた。

鉢呂さんの失言辞任もその一環と思われる。

枝野大臣も「脱原発」に動くと同じワナに落ちるかもしれない。

「脱原発」はいまや世界の動きだから、その流れを封じられないように市民が声を上げなければならない。

  1. 「さよなら原発、1000万人署名運動」に協力を
  2. 「国民投票」を実現させよう

政府などの各機関へ、オンラインで署名を行えるサイトや、意見の送り先をまとめました。