巻頭言

【巻頭言】GNPとGNH(2)

★日本のGNPは500兆円

日本のお金の発行総額(50兆円)の10倍!
これはどういうことでしょう?

・GNPの仕組みを説明します

①あなたが何か買えば、その金額は商店の売上(GNP)としてカウントされ、

②商店がそのお金で商品を仕入れれば、それもGNPとしてカウントされ、

③仕入元がそのお金で元売りから仕入れれば、GNPとしてカウントされ、

④元売りがそのお金で工場から仕入れれば、それもGNPとしてカウントされ、

⑤工場がそのお金で海外から原料を輸入すれば、GNPとしてカウントされる。

 

このように、GNPは売上の合計だから、お金が動くと何度でもカウントされGNPは増えていく。その結果、日本のGNPは500兆円に達しました。

日本のお金の発行総額は50兆円だから、お金は1年で10回使われたことになります。もう1回使えばGNPは550兆円、もう1回使えばGNPは600兆円。

お金は使えば使うほどGNPは増えるのです。

無駄なことでもお金を使えばGNPは上がるので、日本では無駄な道路、無駄なダムなど無駄な公共事業が続いているのです。


「なぜ?」
 

政治家や官僚は大きな予算を確保すること、大きなお金を動かすことが実績につながり、企業は大きな公共事業を受注することが大きな利益になるからです。

政、財、官はこうしてGNPを増やし続けてきたのです。

 

★国民の貯蓄は1400兆円

これはどういうことでしょう?

・貯蓄の仕組みを説明します

①あなたがお金をためて銀行に持っていき貯金する

②銀行は、そのお金を国や企業に貸す

③そのお金で国は公共事業、企業は設備投資や生産に使う

④その金は国や企業を通して、またあなたに支払われる

⑤あなたは、また貯金をする

このように、お金はただ世の中を回っているだけなのに、貯金の数字は増えていくのですが、実際のお金は増えませんし、金庫にも残っていないのです。

この結果、貯蓄総額は1400兆円にも達してしまったのですが、お金自体は50兆円(28分の1)1しかないので、みんなが一斉に貯金をおろしに行けば返してもらえないし、みんなが一斉に保険金や年金をもらいに行っても受け取ることはできないのです。

お金とは、そういう仕組みだったのです。

どう思いましたか。

★日本の財政赤字、累積1000兆円(一人平均800万円)

これはどういうことでしょう?

・国家赤字について説明します

先ほどの貯蓄について、②「銀行は、そのお金を国や企業に貸す」のあと、
国は一定期間後、「利子を付けてお金を銀行に返さなければならない」のです。

高度成長時代は、公共事業をすれば地域が活性化して景気が上がり税収が増えたので、国は「利子を付けてお金を銀行に返す」ことができたのですが、

1980年台、経済成長期が終わると、公共事業をしても景気は上がらず税収が減り、利子どころか借金(元金)が返せなくなったのです。

景気を上げるためにさらに公共事業(道路、ダム、開発)をやっても景気は上がらず借金が増えるだけ。

その繰り返しで借金が1000兆円にも達してしまったのです。

国民の貯蓄1400兆円(一人平均1100万円)、国家の赤字1000兆円(800万円)ということは、国民の貯蓄の70%が国によって使われてしまったのです。

それだけではありません。近年、国家予算が税金よりも大きく、毎年50兆円の赤字が増えているのです。

このままで進むと、あと10年で国家は破産してしまうのです。

現在、ギリシャ危機、イタリア危機など世界的な問題となっていますが、ギリシャの赤字は30兆円、イタリアの赤字は130兆円。

日本の赤字1000兆円と比べたらはるかに小さいのですが、ギリシャ、イタリアは外国(フランス、ドイツなど)からの借金なのに対し、日本は国民からの借金なので破綻を先延ばしにしているのです。

●どうすればいいのか。

貯金や保険金は解約して、自分の責任で運用すること。

土地を買って、家庭菜園、市民農園を始めることをおすすめします。

気心の分かった人たちといっしょにエコビレッジ(地球村)を作ることが将来の安心につながるのではないだろうか。