環境トピックス

【環境トピックス】地球温暖化、危機的転換点に近づく

オーストラリア国立大学気候変動研究所のステフェン・エグゼクティブディレクターは、ロンドンで開かれた会議「圧迫される地球」で、地球温暖化による気候への影響が逆戻りできないところまで近づいており、この10年間に温暖化ガスの排出抑制ができなければ、われわれは危険な転換点を越えてしまう、と警告した。

南極やグリーンランドの氷床は減少を始め、地球を冷やす働きは失われつつある。また、シベリアの永久凍土中に大気中のCO2の2倍(1兆6000億トン)が閉じ込められている。この永久凍土が溶けることで、化石燃料によって排出されるCO2の数倍の量が、毎年放出され地球温暖化が加速するという最悪のシナリオも考えられている。

大気中のCO2が増加することで、海の溶けこむCO2が増加し酸性化する。海の酸性化は、サンゴ礁や魚介類の絶滅を引き起こす。英国プリマス海洋研究所は、過去200年間の海洋酸性化は過去6000万年間見られなかったほどの速いペースで進んだとしている。

(2012年3月27日ロイターほか)