地球は今

【地球は今...】ウガンダ 少年兵と社会復帰

2月17日から25日まで、高木代表と共にアフリカのウガンダへ行きました。
ウガンダで、今何が起きているのかをお知らせします。

(事務局:渡辺 裕文)

ウガンダ共和国という国

面積:約24万平方キロ(本州とほぼ同じ)
人口:3300万人(2010年)
    1980年に1263万人(30年で3倍に急増!)
物価:GDP170億ドル(日本の340分の1)
    成人男性の給料が1万円程度

歴史
1888年 イギリスが東アフリカ会社を設立し、実質支配の始まり
1962年 イギリスから独立
1971年 軍司令官アミンがクーデターを起こし、大統領に。
      以降、内戦が断続的に続く状況に。
1986年 ムセベニ中将がクーデターで大統領となり、いちおう政情は安定。

現在
北部地域で反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」との戦闘が続いたが、LRAの勢力縮小で北部地域でも治安が回復。
豊かな自然と資源を持つにも関わらず世界最低水準の貧困国である。

主な貿易品
輸出 : 鮮魚、コーヒー、紅茶、綿花、タバコ
輸入 : 石油・石油製品、車両、鉄鋼

なぜ、ウガンダでの支援活動が必要だったのか

『地球村』から支援した車が大活躍


1990年代半ばからLRAによる村の襲撃やこどもの誘拐が多発し、北部地域では180万人が国内避難民となっていました。
LRAは、今までにおよそ6万6千人の子どもたちを誘拐しており、兵士としての訓練を受けさせて、水汲みや食料調達、食事の準備、荷物運搬などの重労働や、政府軍との戦闘、村々の襲撃などをさせます。
なかには出身地域での残虐行為や自分の両親・親戚の殺害を強要された子もいました。
加害者意識を植えつけて、子ども兵を精神的に縛り付けるためです。
LRAの衰退によって、子ども兵の帰還や保護されるケースが増えました。

しかし、読み書きや計算が出来ないだけでなく、戦闘によって心に大きな傷を負っています。
対人関係でも、戦闘同様、暴力によって解決しようとすることも多いのです。
その子ども兵の社会復帰のための施設が必要でした。

ネットワーク『地球村』の活動とテラ・ルネッサンスの活動支援

2004年に鬼丸昌也さん(テラ・ルネッサンス創設者)と小川真吾さん(当時『地球村』スタッフ・現テラ・ルネッサンス理事長)は、子ども兵と、子どもでも取り扱える小型武器の実態調査をウガンダ、ルワンダ、ザンビア周辺で行いました。
この調査の後、テラ・ルネッサンスは、ウガンダ北部のグル市に社会復帰支援センターを設置。
6年間で149名の子ども兵を受け入れ、社会復帰を行なっています。『地球村』も様々な形で、この活動を支援してきました。

テラ・ルネッサンスの社会復帰支援センターを訪問

これがすべての家財道具、不自由はない


欧米のNGOや国連などの支援が、基礎的な教育と金銭的な援助が中心になっている事が多い中、テラ・ルネッサンスの支援は、「最大の支援はできなくても、最良の支援をしよう」という考えのもと、一人ひとりと向き合ったハートフルな支援活動を行なっています。
兵士だった子たちがセンターを出たあと、ほぼ全員が社会に適応しているという事実がそれを物語っています。

 

 

そもそもこの原因は


訓練生の様子、イキイキしている


世界での紛争の背景には、必ず先進国の影があります。

ウガンダの内戦は、スーダン~ウガンダでの石油利権のためにアメリカが資金や武器をつぎ込んでいるのが原因であり、今も戦闘が続いています。

今回はウガンダの話でしたが、隣国コンゴの内戦は、携帯電話やパソコンに使われるレアメタル鉱山の利権を巡る争いです。

また、シエラレオネでは、ダイヤモンド鉱山を巡る争いで内戦が起きています。
遠く離れたアフリカ後の内戦も私たちの豊かな生活と大きく関係しているのです。

できることから始めましょう

事実を知ろう
テラ・ルネッサンスのHP:http://www.terra-r.jp/

小川真吾 著『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』合同出版
1365円+税 
※4月初旬発売予定

募金に協力しよう(詳細はテラ・ルネッサンスのサイト参照)
携帯電話やパソコンの買い換えを控えよう(部品のレアメタルが紛争の原因です)
貴金属を買うのをやめよう