脱原発への道

早急にガレキ処理を行うために

被災地にはまだ多くの災害廃棄物(ガレキ)が残されている。2011311日までは生活を支えてきた家の柱や家具、日用品だったものばかりだ。『地球村』が支援活動を行った時には地元の人の心情を汲んでガレキという言葉は使わないようにしていた。

東日本で発生したガレキは、約2300万トン。その大量のガレキ処理が問題になっていて現地での復興/復旧がなかなか進んでいない。このガレキ処理を日本政府はなるべく広域で行う方向で自治体に呼びかけている。地震や津波による廃棄物は、できるだけ早く処理できるように周辺自治体が協力するのは当たり前のことだ。

しかし、福島第一原発事故によって、「想定外」の大量の放射性ガレキも発生している。放射性物質の処理は、「封じ込める」「拡散させない」が基本だ。東日本大震災までは、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウムが1kgあたり100ベクレルを超える廃棄物は、低レベル放射性廃棄物処分場で厳重に管理されていた。しかし、日本政府は、地震による放射性ガレキを1kgあたり8000ベクレルまでは、通常の埋め立て処分が行えるとした。厳重な管理を行うべき80倍の基準値で埋め立て処分が可能という明確な根拠の説明はない。

ドイツやフランスでは、低レベル放射性廃棄物は国内で一カ所の処分場で集中管理され、環境中に出ないような対策が行われている。しかし、今の日本の基準では、原子力発電所から出る100ベクレル以上の低レベル放射性廃棄物は厳重に管理されているが、8000ベクレルまでの放射性ガレキは東京都などで埋め立て処分がされているというダブルスタンダードを生んでいる。

放射性廃棄物の基準を元に戻し、放射性物質がほとんどないガレキは周辺自治体の協力で早急に処分。低濃度でも放射性物質を含むガレキは国と東京電力が責任をもって処分することが必要だ。