震災ガレキの処理問題
東日本で発生した災害廃棄物(ガレキ)は、約2300万トン。
大量のガレキ処理が進まず、現地での復興/復旧がなかなか進んでいません。
雇用創出のために地元で処理を希望している被災地の首長(岩泉町長・陸前高田市長)がいる一方で、日本政府は広域で処理する方向で自治体に呼びかけています。
また、福島第一原発事故によって、大量の放射性ガレキも発生。
放射性物質の処理は、「封じ込める」「拡散させない」が基本です。
東日本大震災までは、IAEAの国際基準に基づき、放射性セシウムが1kgあたり100ベクレルを超える廃棄物は、低レベル放射性廃棄物処分場で厳重に管理されていました。
ドイツやフランスでは、低レベル放射性廃棄物は国内で一カ所の処分場で集中管理され、環境中に出ない対策が行われています。
しかし、日本政府は、地震による放射性ガレキや焼却灰を1kgあたり8000ベクレルまでは通常の埋め立て処分が行えると変更しましたが、厳重な管理を行うべき80倍の基準値で埋め立て処分が可能という明確な根拠の説明はありません。
また、ガレキの放射性物質の測定は、一部をサンプリングで調査しているにとどまり、全量検査は行われていません。すでにガレキの焼却処分を行った山形市や静岡県島田市では、周辺から放射性物質も検出されています。
放射性物質をほとんど含まないガレキは地元自治体が中心となって処分し、低濃度でも放射性物質を含むガレキは国と東京電力が責任をもって処分することが必要です。