【環境トピックス】環境保全、ほとんどの項目で、進展なし
国連環境計画(UNEP)は、RIO+20に先立ち、環境保全の進展状況を報告書「われわれが望む未来の環境(GEO5)」として発表した。
この報告書で、最も重要な環境目標90のうち、顕著な進展が見られたのはオゾン層保護、燃料からの脱鉛など4項目のみで、24の目標はほとんど進展が見られないとしている。
その進展が見られたオゾン層破壊防止もオゾンホールの回復は今世紀半ばまでは期待できないことや代替物質として使われる代替フロン(HFCS)は高い温室効果を持つため廃止をする必要性があることなど、問題点も指摘されている。
【ほとんど進展がなかった項目と現状】
・気候変動:化石燃料の大量消費が続けば、今世紀末に3度以上の気温上昇になる。
・大気汚染:大気汚染物質により年間370万人が死亡
・生物多様性:脊椎動物の20%が絶滅の危機にある。また、サンゴ礁の生物種の絶滅が進んでおり、1980年以来38%のサンゴ礁がなくなっている。
・保護地域:自然保護地域は陸地の13%、海洋の1.6%しか制定されていない
・森林破壊:1990年台の年間1600万ヘクタールの森林減少は、2000年以降は年間1300万ヘクタールまでに減ったが、それでも森林は減少し続けている。
・砂漠化防止:砂漠化防止や干ばつは、ほとんど進展が見られない
この報告書では、GDPに変わる豊かさの指標を作り、資源の大量消費の防止に取り組むことが必要であるとしている。
UNEPの報告書のプレスリリースはこちら(英文)