巻頭言

【巻頭言】『地球村』はどこにありますか

私は時々、「『地球村』ってどこにあるのですか」と聞かれます。
あなたならどう答えますか。

私は20年以上前から「一人ひとりの心の中にあります」と答えています。
「それはどんな村ですか」と聞かれると、
「一言でいえば、人も動物も植物も、みんなが幸せな村です」と答えます。
「原発はありますか」と聞かれれば、
「幸せな村に、原発はあると思いますか」と聞き返します。
「戦争は? 犯罪は? 差別は? 貧困は? 環境破壊は?」と聞かれると、
「幸せな村に、そういうものはあると思いますか」と聞き返します。
それが『地球村』なのです。

あなたも、はっきりと『地球村』のイメージをもってくださいね。
はっきりしたイメージがあれば、必ず実現するのです。
人間は、はっきりイメージしたものを実現する能力があるのです。
飛行機も、ロケットも、電気製品も、いえ、それどころではなく、臓器移植や遺伝子操作、原爆や原発までも!・・・

今こそ方向を変えて、「平和な社会」「幸せな社会」「安心な社会」をイメージしてみようではありませんか。ぜひ、イメージしてみてください。

最近、ふと、こんなことに気づいたのです。
「『地球村』が好き」という人の中にも、イメージが違う人がいることに。

同じ『地球村』の仲間なのに、まるで雰囲気が違うのです。
笑顔は少ない。表情が暗い。目が暗い。雰囲気が暗い。
いつも腹を立てている。怒っている。イライラしている。
言葉がきつい。顔がこわい。不平、不満が多い。
意見が違えば、受け止めない。反発する。攻撃する。
まるで『地球村』を理解していない。
私の講演を聞き、私の本を読み、それで『地球村』の仲間になっているのに、なぜ『地球村』を理解していないんだろう・・・不思議・・・

その原因、理由がわかりました。
『地球村』が、どこにあるか、ということです。
『地球村』が、頭(左脳)にあるのか、心(右脳)にあるのか、なのです。
『地球村』が、頭(左脳)にあるか、心(右脳)にあるかで、大きな違いがあります。
すでに、このことに気づいておられる方も多いと思いますが、
とても大切なことですから、丁寧に書きます。

私の講演を聞かれたり、本を読まれて、感動して泣かれる方と、怒りに震える方がおられます。
「すべて自分だとわかった! 生き方を改めます! 」という方と、「自分は間違っていなかった! 政治家が悪い! 社会がおかしい! けしからん!」という方がおられます。
「幸せに気づいた! 夫婦が変わった! 子育てが楽になった! 自分が好きになった! 人間関係がうまくいくようになった!」という方と、「何を見ても問題が見え、腹が立つようになった! 様々な活動に参加するようになった!」という方がおられます。

前者は、本当の『地球村』を理解されていると思います。
後者は、本当の『地球村』を理解されていないのではないでしょうか。

『地球村』は、幸せな社会をめざし、「非対立」で(怒らず、抗議せず、戦わず)事実を伝え、提言し、実践によって、平和的に社会を変えるのです。
ベースは怒りや危機感、正義感ではなく、愛や希望がベースなのです。

この違いは、『地球村』がどこにあるかの違いだと思います。
『地球村』が心(右脳)にあれば、前者のようになり、
『地球村』が頭(左脳)にあれば、後者のようになるのではないでしょうか。
頭(左脳)は論理的に考えることはできますが、本質はつかみにくく、一方、心(右脳)は直感的にイメージしたり、本質を理解することができるのです。
左脳派は、環境破壊や不正に対して危機感や正義感を抱き、環境活動や反戦運動をする人が多く、右脳派は、問題の根本原因に気づき、自分の生き方を通して、社会の価値観や仕組みを変えようとする人が多いのです。
正義感が強い活動家の『地球村』は、頭にあるのだと思います。
問題の根本を見極め、本質を理解して、『地球村』は心に置いてください。
本当の問題解決には、このことが大切なのです。
それが『地球村』の根本なのです。

人間には心(右脳)も頭(左脳)もあるのですから、どちらも必要です。
しかし、社会を変えるには、そのバランスが大事なのです。
左脳派は、正義感、危機感が強く、攻撃的になりがちなので注意が必要です。
いつも自分を見直し、「怒りがベースか、愛がベースか」自問してください。

※WS(ワークショップ)に参加されると、その違いがはっきりします。
本当の『地球村』が理解できるようになります。どうぞ参加してください。