巻頭言

【巻頭言】受け止める

いま「受け止める」というテーマで本を書いています。
まだ完成していませんが、来月には出版できると思います。

「受け止める」ことについて、どう思われますか。
相手の言葉や気持ち、起きてしまったことを、受け止めることができた場合とできない場合、どう違うでしょう。
受け止められない場合、腹が立ったり、悔んだり、苦しんだり、悲しんだり、とてもしんどい思いをするでしょう。
それに対して、受け止められた場合、「そうかあ、じゃあ、どうしよう」と気持ちを前に向けることができます。「じゃあ、あきらめよう」もありだし、「じゃあ、やり直そう」もありだし、たぶん気持ちは100倍違うと思います。
どんなことでも「受け止める」ことができれば人生は大きく変わるでしょう。

この本、ぜひ、読んでくださいね。
『ありがとう』と同じように、プレゼント本としてとてもいいと思います。
100冊プレゼントの場合、2割引です。(1冊250円を200円に)

以前、チベットの女性の講演を聞きました。
「受け止める」に関係した話で、とても面白かったので紹介します。

私、日本人と結婚した。理由は、頭いいし、大学に行ってるから。
決定的だったのは「お前のことを守る、一生守る」と言ってくれたこと。
でも日本に来て、一緒に生活してみたら、私を守ってくれるどころか、自分も守れてないね。(爆笑)
日本人、すごく不思議ね。
冬になったら「寒い、寒い、寒い」、夏になると「暑い、暑い、暑い」言うね。
何でそんなこと言うのかな。冬寒い、当たり前。夏暑い、当たり前。
日本人、当たり前のことばかり言う。当たり前のことに文句言う。
仕事でも「忙し、忙し」言うし、帰ってきたら「疲れた、疲れた」言うし。そんなこと言うチベット人いないね。
ある時、うちのだんな、チベットの私の村に連れて行ったよ。
まず、バスに乗ったらね、「ガタガタ揺れる、ガタガタ揺れる」言う。
バスは揺れるのが当たり前。揺れないバスの方が不思議ね。
道はデコボコが当たり前。まっすぐの方が変。
うちの人、「ガラスにヒビ入ってる、ガラスにヒビ入ってる」言う。
ガラスにヒビ入るの当たり前。それがどうしたの?
「何で換えないのか」と聞くね。そんなで、いちいち換えてたらお金ないよ。
ガラスにヒビ、どうってことない。ガラス割れてもどうってことないよ。
私が、「フロントガラスの無いバスも走ってるよ」と言ったら、
だんなは「信じられない、信じられない」言うけど、それおかしい。
お客さん困らない。運転手さん困るだけ。
途中から、だんな息ハアハア、ハアハア。「苦しい、苦しい」言う。
「ここ、高さはいくら?」と聞くから、「4000メートル」と言ったら、
よけいハア、ハア、「死にそう、死にそう」言う。でも死ななかった。(爆笑)
村に着いたら、だんな「寒い、寒い」言ってたよ。マイナス30℃。
私は平気、マイナス30℃当たり前。
日本人、不思議ね。いつも当たり前のこと、文句ばかり言うね。

こんな感じで話していたけど、とても説得力がありました。
私もつくづく「そうだなあ」と思ったし、たぶん、その講演を聞いていた人も同感だったと思う。
私たちはたしかに、夏は「暑い暑い」、冬は「寒い寒い」、仕事は「忙しい忙しい」、いろんなことに不平や不満を言う。
口に出さなくても心の中で不平や不満を言う。
それは顔にも出るし、態度にも出る、言葉にも出てしまう。
それが相手にも伝わり、その場の空気をおかしくしてしまう。

その特効薬として「受け止める」を一錠、どうぞ!
それでも効かなければ、「当たり前」を一錠、どうぞ!
「夏は暑い、当たり前」 「冬は寒い、当たり前」
「ランニングはしんどい、当たり前」
さあ、いまからランニングに出かけよう!