【環境トピックス】EU全稼働原発に重大な欠陥
欧州委員会は、福島第一原発事故後に、全原発の安全評価(ストレステスト)を実施した結果を公表、稼働中のすべての原発(68ヵ所134基)に安全上の欠陥が見つかったと発表した。
地震検知器がない原発が10基、全電源喪失後、過酷事故に至るまでの時間が短い(1時間以下)、洪水地震対策が不十分、電源喪失時の移動電源車が未配備など、危機に対する重大な欠陥が指摘されている。
また、47ヵ所の原発は30キロ圏内に10万人以上の都市があり、有事には大惨事の可能性もある。
福島第一原発事故並みの事故に対応できるように改善するためには、最大で計250億ユーロ(約2兆5000億円)必要と報告している。
しかし、EU各国は金融債務危機の対応など財政的に苦しい状態で、各国政府は、補修を行い、稼働を続けるか政治的な判断に迫られている。
(2012年10月2日 毎日ほか)