「線量越えれば仕事失う」原発作業員の実態
東京電力福島第一原発の作業現場で起きた被ばく線量隠しの実態を厚生労働省が聞き取り調査した結果、意図的なごまかしは見つけられず、調査の限界を露呈しました。
2012年10月31日東京新聞
厚生労働省が、福島原発の作業員による被ばく線量ごまかしの実態を調べたところ、意図的なごまかしを行った事例は見つけられなかったと報告しました。
原発の作業現場では、被ばく線量が基準を超えると解雇されることから、作業員が自主的に被ばく線量をごまかすケースがあり、中には鉛カバーを自作して作業に当たっている者もいることが東京新聞の取材で明らかになっています。
線量の高い作業に当たった場合、たった一日で数年分の線量を被爆することもあるため、ある作業員は線量の低い場所での作業に変えてくれと頼んだが、聞き入れてもらえず「解雇か線量隠しか迫られているようなもので、被ばく隠しをするしかなかった」と話しています。
聞き取り調査に当たった行政の担当者は「悪質な事例を申し出れば、法令違反に問われる可能性もあり、行政の調査で実態を掘り起こすのは正直難しい」と話しています。