環境トピックス

【環境トピックス】核のごみ 地方に負担

電力消費の大きい都道府県は、原発のごみ=使用済み核燃料の排出量も多い。各都道府県の家庭などの使用電力量に応じて算出した燃料のごみの想定排出量を見ると、2007~2011年の五年間で東京は359.1トンでトップ、次いで大阪は339.5トンで、神奈川は217トンとなる。最も少ない鳥取は6.5トンで、島根は8.1トンだった。
最大原発立地県の福井では、想定排出量は41.3トン。しかし、福井にある関西電力の原発はごみを五年間で799トン出し、そのうち約半分を福井は原発施設内に保管している。
青森は再処理施設を六ケ所村に有するが、ごみの想定排出量は27.5トン。その一方で六ケ所村に運ばれた全国からのごみの合計は、五年間で1074トンにも達する。これは同県が排出する量の約四十倍になる。

電力消費量、燃料のごみの想定排出量が少ないのに、ごみを保管しなければならない。この不公平感を是正するべく、経済産業省は昨年の11月26日付で「使用済み核燃料対策協議会」へ参加するよう全国自治体に文書を送った。しかし、昨年の政権交代や都知事交代の影響で、消費量の多い東京、大阪は参加未定と回答。現時点で参加表明したのは、原発関連施設のある茨城と福井の二県である。

想定排出量は、東京、大阪など上位六都府県で全体の四割を占めている。私たちは、電力消費が多い分、使用済み核燃料の保管の負担を地方に強いていることを認識しなくてはならない。今からでも余計な電気を使わない意識を持とう。冬はウォームビズで厚着をして暖房の設定温度を下げ、夏はクールビズで逆に上げる。使ってない電化製品のコンセントを抜く。契約アンペアを下げる。グリーン電力を購入して原発ではなく、自然エネルギーによる電気を選択する。そんな自分たちのできるちょっとしたことを始めていけば、原発からの発電量を減らすきっかけになる。

(出典:東京新聞 2013年1月5日)